コンパクトカメラの市場構造はここ数年で大きく変化

BCN+Rに、コンパクトカメラの販売動向に関する時期が掲載されています。

コンパクトカメラは死んだのか

  • コンパクトカメラはカシオが去り、ニコンが開発を中止し、ソニーや富士フイルムがラインアップを大幅縮小。スマホに押されこのままカテゴリ―自体が消えてしまうのではないか、と危惧する向きもあるだろう。結論から言えば、全く死んではいない。カメラの販売台数構成比は、コンパクトが依然として6割以上を占めている。販売金額構成比こそ、2割台後半から3割台前半と小さいものの、一定の売り上げは続いている。
  • 平均単価は、レンズ交換型と同じように上昇している。特に、5万円以上の比較的高価格帯の構成比が高まっているのが目立つ。21年9月時点では、販売台数全体の6.8%に過ぎなかったが、この9月では33.2%まで上昇。インフレの影響が大きいと思われるが、同時に、少々高くてもいい製品が欲しいというユーザーが増えている、という可能性も高い。

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  • レンズ交換型カメラの販売前年比は、台数、金額とも大きな前年割れを喫した。10月にマイナス幅は縮小したものの前年割れは継続している。コンパクトも減速傾向で9月、10月と販売台数は微減。しかし金額は前年を上回って推移し、10月の販売金額は115.3%と二桁増を記録した。価格が上昇するミラーレスを前に、比較的高価格帯のコンパクトでも安く見えるようになった、ともいえそうだ。
  • コンパクトカメラの市場構造はここ数年で大きく変わった。9月の販売台数シェアの上位5社では、キヤノンがダントツ。PowerShotとIXYの両シリーズを柱に31.1%と大きなシェアを握っている。一方、2位の富士フイルムは、いわずと知れた爆売れの「instax mini Evo」の貢献が大きく13.4%のシェアを獲得。3位、4位のKODAKとケンコー・トキナーは、主要メーカーが撤退した「跡地」に進出した。コスパの良さを武器にシェアを伸ばし、市場を大きく変えた主役だ。そして、一桁シェアで地味ながらもTOP5に食い込んでいるのがGRシリーズを擁するリコーイメージング。フィルム時代から連綿と続くGRブランドは、今でも根強くファンが多い。

 

スマートフォンの普及に伴ってコンパクトカメラは大幅に販売台数を減らしてきましたが、販売台数ベースではカメラ全体に対する割合は6割以上ということで、今でもコンパクトカメラはカメラの中では最も売れているカテゴリのようですね。

コンパクトカメラの市場構造は、ニコン、ソニー、パナソニックなどのカメラメーカーがシェア上位から姿を消し、代わってコダックやケンコー・トキナーなどの低価格機を販売するメーカーが大きなシェアを占めてており、確かに以前とは大きく変化していると言ってよさそうです。