キヤノン「RF16-28mm F2.8 IS STM」は「EF16-35mm F2.8L III」と同等かそれ以上の性能

DigitalCameraWorldに、キヤノンの新しいF2.8通しの広角ズーム「RF16-28mm F2.8 IS STM」のレビューが掲載されています。

Canon RF 16-28mm f/2.8 IS STM review: does this make pricey, wide-angle trinity lenses redundant?

  • このレンズは全長91mm、重さ445gで、RF15-35mm F2.8Lと比べて格納時の全長は28%小さく47%も軽いが、最初にレンズを繰り出す沈胴式は賛否のある仕様だ。
  • 鏡筒はプラスチックでかなり頑丈に感じる。マウント周囲にはシーリングが施されている。
  • 価格は英国では1249.99ポンドで決して安くはないが、RF15-35mm F2.8Lの半額にコストを抑えて機能を充実させていることは評価できる。
  • AFはその速さ滑らかさ静かさに驚いた。このAFはスチルと動画のどちらでも素晴らしいものだ。このレンズは電子フォーカスブリージング補正に対応している。
  • 望遠端が28mmなのはストリート写真では短いのではないかと懸念しているが、R5 / R5IIのような高画素機なら35mmにトリミングできるだろう。16-35mmクラスから買い替える人はこの点が問題になると思う。

  • キヤノンはこのレンズはEF16-35mm F2.8L III に匹敵する光学性能だと主張しているが、その通りの性能であることが確認された。このレンズは電子補正(歪曲補正での四隅の切り取り)前提の設計だが、小型軽量、低価格を実現できるので、このアプローチには何の問題もない。ただし、RAW使用時はレンズプロファイルが必須になる。
  • 実写テストではF2.8開放で中央と隅で高い解像力で、色収差はJPEGではほとんど補正されており感銘を受けた。
  • RAWとJPEG(歪曲補正で切り取ってから引き伸ばされている)は同じ解像度なので、何らかの補間が行われているはずだが、キヤノンによると、このレンズはこのことを考慮して解像力を高めて設計してあるということだ。非常に巧妙だ。
  • 周辺光量落ちは特に開放では補正後のJPEGでも見られるが、中程度まで絞ればほとんど解消する。小型軽量化のためには周辺光量落ちは多少妥協するしかないのだろう。

  • 2007年に登場した古いEF16-35mm F2.8L IIとの画質を比較すると、RF16-28mm F2.8 IS STMは大幅に色収差が少なく、周辺部では遥かにシャープで画質は驚くほどの差がある。周辺光量落ちを除けば、すべての面でRF16-28mm F2.8が大幅に優れている。
  • RF15-35mm F2.8L IS USMとの比較では予想通りRF15-35mm F2.8Lの方が画質は良かったが、おそらく皆が思っているよりもその差は小さい。しかし、RF16-28mm F2.8 はシャープネスと色収差の少ないキレイな画像という点では全く悪くない。
  • RF16-28mm F2.8とより高価だが高性能なRF15-35mm F2.8Lとどちらを選択するのかは検討の余地があるが、EF16-35mm F2.8L III(または II)を使用している場合の選択は明らかだ。16-28mm F2.8は軽量コンパクトでEFと同等かそれ以上のシャープさで、考えるまでもないだろう。

  • RF16-28mm F2.8 IS STMは、小型軽量で耐候性があり、機能満載でRF15-35mm F2.8L IS USMの半額だ。広角ズームを買おうと思っているならRF16-28mmを選ぶのは非常に賢明な選択だろう。このレンズは、素晴らしい手ブレ補正、静かで滑らかかつ高速なAFを備えている。
  • 良い点:Lレンズの半分の価格、小型軽量、旅行に最適、F2.8の明るさ、速く静かで滑らかなAF。
  • 悪い点:インナーズームではない、レンズ使用時に繰り出す必要がある、フードが別売り、フォーカスリングはコントロールリング兼用。

 

RF16-28mm F2.8 IS STMは光学性能では、さすがに現行LレンズのRF15-35mm F2.8Lには及ばないようですが、その差は大きくはないようで、非常に軽量コンパクトな設計であることを考えるとかなり優秀なレンズと言ってよさそうですね。望遠側が28mmで問題ない人には広角ズームの有力候補になりそうです。