デジタルカメラ市場はメーカーと消費者の意向が乖離している

BCN+Rに、CIPAの出荷台数とBCNの販売台数のデータによるカメラ市場の分析記事が掲載されています。

「出荷」と「販売」データの乖離から浮かぶ、デジタルカメラ市場の懸念点

  • 出荷ベースのCIPAと販売ベースのBCNランキングでは、構成比が異なる傾向であることが分かった。

    (CIPAが発表した出荷台数によると)21年までは、レンズ一体型が6割、一眼レフは1割、ミラーレス一眼が2割超という構成比で推移していた。しかし、22年に入るとミラーレス一眼が急増。23年にはレンズ一体型を上回り、24年は53.6%と過半を占めるまでに増加した。

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  • (BCNランキングによる実売データによると)18~24年の種類別販売台数構成比をみると、レンズ一体型が6割超を占める。ミラーレス一眼は18年の18.4%から24年の32.3%と、年々構成比が増加しているものの、3割どまり。先に提示した種類別出荷台数構成比とは、明らかに異なる動きを示している。

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  • この二つの数値からわかるのは、メーカーと消費者の意向が乖離しているということだ。メーカー側は、レンズ一体型よりも高価なミラーレス一眼に主軸を移しつつあるということ。一方、消費者はレンズ一体型を欲しているということだ。こうした差は出荷統計に参加していないメーカーの存在もあるが、メーカー側と消費者側の需給の乖離を如実にあわらしている。

    このままの状態が続くようであれば、ミラーレス一眼の在庫はダブつき、値崩れする危険性を孕んでいる。また、消費者が望む製品の選択肢が少なくなり、スマートフォンで撮影せざるを得ない状況に陥ってしまう。こうした動きはデジタルカメラ離れを加速させる危険性をはらむ。今こそ需給の溝を埋める動きが必要だ。

 

最近はコンパクトカメラの選択肢が少なく、数少ない現行のコンパクトカメラも人気機種は供給不足でなかなか手に入らない状態が続いていて、確かに、レンズ交換式を重視するメーカーとコンパクトカメラを求めている顧客の意向に乖離があるのかもしれませんね。

最近は特にコンパクトカメラがブームになっており、ハイエンド機、ローエンド機、中古と幅広くコンパクトカメラが売れている状況にもかかわらず、メーカーの対応が追いついていないように感じます。

とは言え、キヤノンがCP+でPowerShot Vシリーズの新製品を投入するようで、今後は他の大手メーカーもコンパクト市場に再び力を入れ始める可能性はあるかもしれませんね。