ソニー「FE16mm F1.8 G」はVlogや旅行の最高の友だが天体写真には向いていない

PetaPixelに、ソニーの小型軽量の大口径超広角単焦点レンズ「FE16mm F1.8 G」のレビューが掲載されています。

Sony FE 16mm f/1.8 G Review: Worthwhile Compromises for Compactness

  • FE16mm F1.8 Gはなんと小さいレンズなのだろう。F1.8の超広角ながらこのレンズは超小型だ。鏡筒はかなり頑丈な作りで、ある程度の耐候性があり、極寒の環境でも問題はなかった。
  • 絞りリングは素晴らしい感触だ。こんなコンパクトなレンズに絞りリングが付くとは思っていなかった。
  • AFはツインリニアフォーカスモーターで、静かで素早く動き、非常に近い距離の動体撮影にも問題なく対応できるほど速い。
  • このレンズは近距離でもシャープで、最大撮影倍率は0.3倍と十分で多用途に使える。近距離では軸上色収差が多少見られると思っていたが、ほとんど見られずこれは嬉しい驚きだった。
  • このレンズは比較的安い価格だがフレアは非常に上手く抑えられており白っぽくなることはあまり無く、絞った時でも強いゴーストは発生しない。逆光耐性には多少問題があると予想していたので意外な結果だった。
  • ボケはあまり良好ではなく背景の描写はかなりうるさい。
  • 光条は良く言ってもそこそこで、F16では光条を出すことができるが、太く不明瞭だ。ドラマチックな光条が好きな人には、このレンズは向いていない。
  • 開放ではディテールは良好だがコントラストは著しく低い。少し絞るとコントラストは驚くほど改善され、中央部分は素晴らしくシャープになる。開放では隅は厳しく、絞った状態でも隅は甘いように見える。これはかなり強い歪曲補正が適用されているためで、このような広角レンズを小型化するには妥協が必要だ。風景や建築撮影では、適度に絞り込んで撮影するようにしている。
  • この小さなレンズを実現するための妥協点の1つは隅の強い非点収差で、隅の光の点は見苦しい羽根の付いた形状になり、こうなる範囲は隅から予想以上に離れた部分まで広がっている。開放時の隅のソフトさが、さらに天体撮影での実用性を制限している。このレンズは非点収差がひどく天体用としては理想的ではない。

  • このレンズはVlogに最適で、16:9のアスペクト比では隅の甘い部分はほとんど切り取られる。滑らかに回転する絞りはビデオグラファーに気に入って貰えるだろう。フォーカスブリージングは多少見られるが、わずかで、ほとんどのユーザーは気付かないだろう。
  • 16mm F1.8の小ささはVlog撮影と旅行用に最適だ。この小さなレンズには多くの可能性がある。弱点もあり、隅々までのシャープさが重要な場合は良い選択肢ではないかもしれない。ボケも明らかに妥協されているが、ボケが問題になる状況はまれだ。天体写真のパフォーマンスにはがっかりしたが、わずか800ドルで全てを手に入れることはできないだろう。このレンズはGMレンズに比べて遥かに手軽で、クリエイターにとって理に適ったレンズだ。
  • このレンズを買うべきだろうか?イエスだ。ブイロガーや旅行写真家にとって新しい最高の友になるだろう。しかし、天体写真やボケ味に関してはあまり期待しない方がよい。

 

FE16mm F1.8 Gは大口径の16mmとしては極めて小型軽量で、非常に使い勝手がよさそうですが、画質はさすがに隅々までシャープとはいかないようで、周辺の画質はある程度妥協が必要なようです。とは言え、このサイズでこれだけ写れば十分と言ってもよさそうです。ただ、星景写真用としては広い範囲で非点収差がかなり強いようで、敢えてこのレンズを選択する理由はなさそうです。