「SIGMA BF」は美しいカメラだがシンプルすぎる

PetaPixelに、ユニボディと独自のユーザーインタフェースを採用したミラーレスカメラ「SIGMA BF」のレビューが掲載されています。

Sigma BF Review: Riding The Knife's Edge of 'Too Simple'

  • あらゆる芸術での基本的な考えの1つは余分なものをそぎ落とし、合理化して本質、つまり最も重要な部分だけに絞り込むことだ。しかし、行き過ぎていないだろうか。シンプルにしすぎて一部の人にしか魅力が伝わらなくなることはないだろうか? そこには微妙な一線があり、良くも悪くも、シグマはそれを越えたのではないかと思う。BFのシンプルな美しさは否定できないが、シンプルすぎるかもしれない。
  • BFの最も印象的な特徴は、そのシンプルで美しいアルミボディだ。革新的なデザインとシンプルなグリップ構造にもかかわらず、 グリップ部のテクスチャでカメラをしっかり握ることができ、驚くほどホールディングは快適だ。サムグリップは美しく加工されており、実際に機能する。
  • このカメラの2000ドルという価格は非常にリーズナブルだ。
  • 重さはわずか388gで簡単に持ち運べるが、BFに合うIシリーズのレンズは重めだ。カメラ自体はコンパクトだがレンズのせいでかさばってしまう。
  • モニタはクリアでシャープだが可動機構が無く、視野角が狭いので正面以外の角度では画面がかなり暗くなる。明るい環境では明るさを最大にし、加えて「屋外」の設定を有効にしても、画面を見て構図を決めるのが難しい。
  • ストラップ取付部は1つしかなく、リストトラップには最適だが、ネックストラップには対応しない。
  • バッテリーはこれまで見たことのないものだ。バッテリーライフは平凡で、1日の普通の撮影でバッテリーを使い切ってしまったので、予備バッテリーの用意を勧める。
  • シャッターボタンは半押しも完璧に調整されており使い心地は非常に良い。他のボタンも優れた使い心地だ。
  • コマンドダイヤルはなく、露出の設定をするのはかなり面倒だ。タッチパネルの機能は制限されており、基本的な露出コントロールにタッチパネルを使用できないのは残念だ。背面のボタンは4つしかなくカスタマイズもできない。
  • BFは1つの操作方法のみで操作するように作られているため、気に入らない場合はがっかりするだろう。旅行中にのんびりと撮影しているときは、操作性に問題はなかったが、素早い反応が必要なときにはBFは扱いにくいと感じた。
  • 手ブレ補正付きの適切なLマウントレンズがあまりないので、IBISが本当に欲しいと感じる。
  • ユーザーがスマートフォンとの統合を望んでいることを考えると、WiFi や Bluetooth に対応していないのは奇妙だ。
  • BFで撮影していると非常に人目を引く。何度も見られたり、指をさされたりしたが、これがBFの魅力の大きな部分であることは認める。
  • 連写はAF連動で8コマ/秒で、AFは予想していたよりも遥かに優れている。動体追尾は予想外に非常に優れていて、その性能はソニーのリアルタイムトラッキングを思わせるものだ。

  • シグマは初心者の写真家を引き付けるために、よりシンプルなBFを宣伝しているが、私は BFは高級ファッションアクセサリーとして、しかも高品質の写真を撮影できるものとして宣伝する方がはるかに理にかなっていると思う。
  • BFの価格が高くないことを考えると、シグマスタイルがにじみ出てる十分な写真的な機能を備えた製品だと思う。しかし誤解しないで欲しいがBFの用途はかなり限られており、必ずしも快適に感じるとは限らない非常に特殊な方法での撮影を強いられることになる。
  • 私はシンプルなカメラで十分だし、BFで大切にしたい写真も何枚か撮れたが、期待していたような楽しい経験は得られなかった。BFは美しいカメラだが少しばかげたカメラでもある。見た目の魅力はあるが、その制約はごく限られた人たちにしか響かないだろう。

 

SIGMA BFはボディデザインやインターフェースにこだわった意欲作ですが、そのシンプルすぎる操作系は状況によっては使いにくいと感じることもあるようですね。その辺りを割り切って、美しいボディを愛でながらのんびりと写真を撮る用途に使うなら、BFは非常に満足できるカメラかもしれませんね。