ニコン「Z35mm f/1.2 S」は画面全域で均一な驚異的な解像力

ePHOTOzineに、ニコンの大口径広角単焦点レンズ「Z35mm f/1.2 S」のレビューが掲載されています。

Nikon Nikkor Z 35mm f/1.2S Lens Review

  • 重量は1060gで35mmレンズとしては従来の想像をはるかに超える大きさだが、これは総金属鏡筒と極めて明るい開放F値1.2、そして品質への徹底的なこだわりによるものだ。大きく重いがZ6IIIによく似合うレンズだ。
  • フォーカスリングは幅が広く適度な抵抗感がある。AFは非常に速く正確だ。AFの作動音がほとんどしないのは、ビデオグラファーには朗報だ。
  • このレンズは、重さと大きさを除けば、使い勝手の上での問題はない。
  • 解像力テスト:画面全域で全ての絞り値で非常に均一で、全域で素晴らしい解像力(excellent)だ。これは驚異的な解像力だ。

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  • 色収差は中心部はほぼゼロで、周辺部でも1/3ピクセル程度に抑えられており、大部分の画像ではほとんど目立たない。
  • 歪曲はわずか-0.04%のタル型で直線に非常に近い、これはこのような大口径レンズとして驚くべき結果だ。
  • ボケは望遠レンズと同じレベルではないが、非常に満足のいく滑らかなものだ。
  • 逆光ではフレアはほとんど見られず、厳しい状況でも十分に抑えられている。
  • 周辺光量落ちは目立たず(F1.2で-1.6EV)、このような大口径レンズとしては周辺光量落ちは非常に少ない。

  • 第一印象は、35mmのレンズとしては大きすぎて重すぎるという印象だったが、実際に使ってみると、この大きさ重さには十分な理由があることが分かる。このレンズは画面全域でどの絞り値でも、驚くほど均一なシャープネスを実現しており、これのレンズの一貫した高い性能に匹敵するレンズはほとんどない。ほとんどの人にとって、価格が大きなハードルとなるだろうが、このレンズを使いこなせるプロの方であれば、コストパフォーマンスはそれほど重要ではないだろう。いずれにせよ、Z 35mm f/1.2Sを強くお勧めする。
  • 良い点:全ての絞りで中心も周辺も素晴らしい解像力、F1.2の明るさ、速く正確でほとんど無音のAF、逆光耐性、色収差がよく抑えられている、歪曲がほとんど見られない、防塵防滴、製造品質、周辺光量落ちが少ない。
  • 悪い点:大きさと重さ、非常に高い価格。

 

Z35mm f/1.2Sは設計の難しい超大口径の広角レンズにもかかわらず、F1.2の開放から画面の隅まで素晴らしい解像力で、色収差も少なく申し分のない光学性能と言ってよさそうです。歪曲に関しては-0.04%は広角レンズとしては小さすぎる値なので、おそらく自動補正後の値だと思います。大きく重く高価なレンズですが、光学性能最優先の方はこのレンズを選択しておけば間違いなさそうですね。