ソニー「FX2」は革新性に乏しくライバルに比べてやや旧世代感がある

PetaPixelが、ソニー「FX2」のレビュー動画をフライング(?)公開しています。

Sony FX2 Review: Does Slow and Steady Win This Race?

  • Sony FX2は、これまでのFXシリーズとは異なる位置づけの製品で、映像制作に特化したFX3よりも安価(※FX2は2700ドル、FX3の現在の店頭価格は約3900ドル)だが、写真撮影の機能が大幅に強化されており、写真と動画のハイブリッド機として登場した。
  • センサーはα7 IVと同じ33MP裏面照射型センサーで、4K解像度で非常に高精細な映像を記録可能だ。これは従来のFXシリーズから方向転換を図っているとも言える。
  • 4K60fpsや120fps撮影ではAPS-Cへのクロップが発生するため、全幅での高フレームレート撮影をしたい人には不向き。
  • デュアルネイティブISO(800/4000)により、暗所性能は優秀。
  • ダイナミックレンジも広く、映像品質は非常に高い。
  • メカニカルシャッター(電子先幕)を搭載し、α7 IVと同等のスチル機能を有する。
  • シンクロ速度は1/160秒(α7 IVは1/250秒)。
  • S-Log3での写真撮影が可能で、動画と同一グレーディングができるのは大きなメリット。
  • 電子シャッターではローリングシャッターの歪みが顕著なので注意が必要。
  • ボディは679gと軽量で、機動性に優れる。
  • 1/4インチネジ穴が多数配置され、リグ組みも容易。
  • グリップが深く、大口径レンズを使っても指がレンズに触れにくい設計。
  • 電源スイッチは手袋装着時には操作しにくい位置にあり不便。
  • トップ部のジョイスティックはローアングル用だが、アイレベル撮影時には使いにくい位置。
  • 3.69Mドットの高精細EVFを搭載(α7 IVと同じ)。EVFは上下にチルト可能。
  • 外部モニターやワイヤレス受信機を上部に装着するとEVFのチルトの自由度が制限される。
  • 背面モニターは1.03Mドットのバリアングル液晶だが、画質は低めでピント確認が難しい。
  • SonyのAIプロセッサーによる高速オートフォーカスが強力で、映像中で一切迷いがない。
  • アクティブ手ブレ補正(Dynamic Active IS)搭載:強力だが画角が大きくクロップされる。
  • RAW動画は外部出力のみ対応(最大4.7K、APS-Cクロップ)。Nikon Z6 IIIやPanasonic S1 IIなどの競合機は全幅・内部RAW録画に対応しており、FX2はやや劣勢。HDMI端子はフルサイズなのは高く評価するが、RAW録画重視のユーザーには不向きなカメラだ。
  • 動画を重視するユーザーにはα7 IVよりFX2をおすすめできるが、革新性には乏しく、ライバルの進化に比べてやや旧世代感が残る。とはいえ、コストパフォーマンスに優れた選択肢であることには変わりない。

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正式発表前ですが、PetaPixelがFX2のレビュー動画を公開しました。FX2は大型のEVFを搭載しているにもかかわらず価格2700ドルと現在約3900ドルFX3よりも大幅に安価で、スチル・動画のハイブリッド機という、これまでのFXシリーズにはなかった位置付けのカメラのようです。

ただ、性能面ではベースα7 IVから大きな飛躍はないようで、ここでは「革新性に乏しく旧世代感がある」というやや辛口の評価になっています。確かに最新の業務用動画機としては動画は若干物足りないスペックかもしれませんね。

とは言え、FX2はEVFに加えてメカシャッターを搭載しているので、動画中心だけどスチルも撮りたいという方にはよい選択肢になるかもしれません。