PetaPixelに、DJIのフルサイズミラーレスカメラの噂に対する見解が掲載されています。
・DJI Could (But Probably Won't) Launch a Full-Frame Mirrorless Camera
- 1年ほど前から、DJIがフルサイズミラーレス一カメラの準備を進めていると、多くのメディアが報じてきた。これはあり得るだろうか?もちろんあり得るだろう。しかし、この噂が理にかなっているかというと、そうでもないだろう。
DJIがフルサイズミラーレスを開発するにふさわしい理由は、たしかにいくつかある。まず、DJIは2017年に「ハッセルブラッド」の過半数の株式を取得しており、その後の取材によれば、実質的にハッセルブラッドはDJIの子会社といって差し支えないとのことだ。つまり、DJIはハッセルブラッドのカメラ設計や開発の専門知識に直接アクセスできる。
さらに、DJIは世界有数のドローンメーカーであり、カメラ機能の優れたドローンを多数リリースしている。DJIはフルサイズを含む多様なカメラとの連携や技術開発の経験を積んでいる。しかもDJIは2022年に「Lマウントアライアンス」に加入している。このように、DJIにはフルサイズミラーレスを開発・販売するだけの技術的基盤と経験が揃っている。
しかし、可能性はあっても、それが実行されるとは限らない。(レンズ交換式カメラへの)新規参入はまれであり、成功例も少ない。サムスンの撤退が良い例だ。Lマウントアライアンスのおかげでレンズ開発の負担は少ないとしても、フルサイズカメラ市場への本格参入は高コストでハイリスクだ。DJIは既にジンバルやドローンでカメラ業界に収益源を確保している。
さらに言えば、DJIはすでにハッセルブラッドを通じて中判カメラやコンパクトカメラでの成果を挙げている。無理をして激戦のフルサイズ市場に参入する必要性は見当たらない。
ソニーのαシリーズの成功は一度きりの奇跡に近いとも言えるだろう。DJIが同じ道をたどるには、失うものが多く、得られるものは少ないかもしれない。
ソニー・キヤノン・ニコンのような大手と正面から勝負するカメラをDJIが出す可能性は低いだろう。しかし、それは革新の余地がないという意味ではない。
・特化型のカメラ市場
・シネマカメラの分野
・ニッチな要求に応える製品
このような「業界の周縁」では、新しい企業にも成功のチャンスがあるだろう。Ronin製品やドローンの実績を活かして、低リスクで映画撮影用製品の新カテゴリを生み出すことも不可能ではない。とはいえ、おそらく実現しないだろう。
定期的にDJIのレンズ交換式ミラーレスカメラの噂が流れていますが、PetaPixelはその実現性を疑問に思っているようです。
ここでは「大手カメラメーカーと正面から戦うのは無理なので、ニッチ製品やシネマカメラの分野ならあり得るかも」と推測していますが、DJIのアクションカメラや業務用動画機、ドローンカメラの技術は高く、加えて傘下のハッセルブラッドの技術もあるので、Lマウント等への参入は技術的にはあまり問題はないような気もします。最終的にはマーケティングの問題でしょうか。
トヨヒデ
たしかに可能性は低そうですね。この噂を聞いた時は黒船襲来かと期待しましたが、私がDJIの経営者ならこれから市場規模が拡大するわけでも無く、むしろ縮小に向かっていくと予想されるフルサイズ市場というレッドオーシャンへ飛び込むようなことはしないですね。フルサイズミラーレスの概念を吹き飛ばすような新しいアイデアがあれば別ですが…
wow
コストをかけてシェアを奪いに行くほどおいしい市場なのかという話ですね。変化と進化に乏しい日本の大手カメラメーカーにはいい刺激になってくれると思いますが。
タロウカジャ
無くなりはしないでしょうが縮小傾向のデジタルカメラ市場で冒険をする可能性はないと言う観測が正しいと思います。
コンパクトカメラの次はAPS-Cカメラの衰退がはじまると思います。
新しいユーザーが生まれない市場に未来はありません。
既存の各社も撤退できる様にプログラムを常に策定していると思います。
時々線香花火のように話題になる製品がでますが長くは続きませんし市場全体に影響がありません。
Limited
ジンバル一体型シネマカメラを拡充→コンシューマー寄りの35mmフルサイズセンサーのレンズ交換式と広げていって
BMDは言い過ぎでも、ZCamあたりの需要を奪うのはなくもないかも
どちらにせよ、力も技術もあるメーカーだから動向が楽しみです。
lotus
ジンバルやドローンのペイロード考えるとフルじゃなくAPS-Cでシグマのレンズ活かす方がいいと思うんですが。
Lマウントユーザーも結構サブ機に買いそうですし(僕もですが)