DigitalCameraWorldに、部分積層型センサーを採用したパナソニックのミラーレスカメラ「LUMIX S1II」のレビューが掲載されています。
・Panasonic Lumix S1 II review: Speed demon
- 価格は3199ドルで、ライバルのZ6III(2100ドル)やEOS R6II(2199ドル)、ソニーα7 IV(2199ドル)よりも明らかに高価だ。パナソニックは通常は競争力のある価格設定をすることで知られているので、この価格は衝撃的だ。優れた動画機能を毎日活用するのでなければ、この価格は高すぎるように感じる。
- ボディは初代S1から大幅に小型化され、20%軽量化されているが、それでもレンガのようなしっかりとした造りで、仕事用のカメラとして十分に使える。
- グリップは深く快適で、24-105mm F4のような大きなレンズとの組み合わせでもしっかりとホールドでき、バランスが良く疲れにくい。動画撮影時の安定性も高い。
- 設定が豊富にもかかわらず、パナソニックのメニューとインターフェースは非常に論理的に整理されており、ユーザーインターフェースは最も洗練されたものの1つだと思う。
- 576万ドットのEVFは大きく鮮明で、連写中でもブラックアウトしない。モニタは3インチで、競合製品(多くの場合3.2インチ)よりも少し小さいが、明るく屋外でも使用できる。
- 実写テスト:性能で特筆すべき点は、AFと連写のスピードだ。これはほぼ期待通りだ。以前のコントラストAFベースのDFDと比較すると、S1IIの位相差AFは雲泥の差だ。AFは高速で信頼性が高く、ついに他社製品に匹敵する性能になった。
- スポーツや野生動物など、動きの速い被写体の撮影では、S1IIのAFは優秀ではあるもののクラストップというわけではない。「アーバンスポーツ」モードは上手く動作し的中率はまずまずだったが完璧ではなく、α9 IIIやキヤノンEOS R5 IIのほど驚異的なAF精度ではなかった。
- センサーの読み出しは速く、ローリングシャッター歪みは目立たない。
- 画質は素晴らしく、部分積層センサーを採用しているにもかかわらず依然としてダイナミックレンジは広く、部分積層の悪影響は感じられない。高感度性能は素晴らしくISO6400まではキレイな画像が得られISO12800までは問題ない。
- 動画性能は際立っており、4K動画はこれまでのハイブリッドカメラとしては最高の画質だ。ローリングシャッターのスキャン速度はフル解像度とクロップのどちらでも優れており、高速でカメラを振り回さない限り動きの速い被写体でも問題はなかった。
- IBISの性能は現時点では最高で、称賛したいと思う。日常的な動画撮影ならジンバルは家に置いてくるといいだろう。
- ラボテスト(解像力):EOS R6 Mark II、Z6III α7IVとの比較では、(α7IVを除く)3台の2400万画素機は低感度では同等の解像力だが、感度が上がるにつれて低ノイズのS1IIはR6IIやZ6IIIよりも解像力は高くなる。
- ラボテスト(ダイナミックレンジ):S1IIのダイナミックレンジは低感度ではこれまでリーダーだったZ6IIIに匹敵し、高感度ではZ6IIIを凌駕する実に印象的な性能だ。S1IIは全感度で優れたダイナミックレンジを実現している。
- ラボテスト(S/N比):ダイナミックレンジ同様、S1IIはノイズの少なさでもライバルを凌駕しており、テストした全ての感度でライバルよりも常に鮮明な画像を生成している。
- 結論:S1IIはパナソニック史上最高のハイブリッドカメラで、70コマ/秒の驚異的な連写と高速読み出しによる事実上のローリングシャッター歪みの排除を実現している。画質はクリーンでシャープだ。AFはこれまでのパナソニック機で最も信頼性が高い。動画機としても有力候補だ。しかし、3199ドルという価格はライバル機よりも高く、このカメラの最高の機能を使いこなせないのなら、もう少しお金を節約した方が良いかもしれない。
- 良い点:驚異的な70コマ/秒の連写、6Kオープンゲート記録、クラストップのIBIS。
- 悪い点:ライバルと比べて高価。
これまでパナソニックのAFはあまり芳しくない評価を受けることも多かったですが、S1IIは「他社製品に匹敵する性能になった」と述べられており、このクラスのライバルとほぼ同レベルになったと評価されています。
ただ、動体AFに関しては、良好ではあるもののソニーやキヤノンのハイエンド機にはまだ完全には追いついてはいないという評価のようです。
AF以外の部分では、スチルの画質は低ノイズ、高ダイナミックレンジで、このクラスではライバルを抑えてトップという素晴らしい結果となっています。また、動画の評価も極めて高く、IBISも「最高」という評価で、価格を除けば全体的に申し分のない高評価と言ってよさそうです。
daipa
パナソニックのAFも改善してきたみたいで、すばらしいですね。画としてかなり気に入っていたので、S1Ⅱを買ってみたくなりました。でも、ちょっと高いような・・・。
ルミエール
「以前のコントラストAFベースのDFDと比較すると、S1IIの位相差AFは雲泥の差だ。AFは高速で信頼性が高く、ついに他社製品に匹敵する性能になった。」
これって長年(といっても本当に使ってきた方からするとまだまだ新参者かもですが)LUMIX使ってきた身からすると感激のコメントですね。
動体に対してはまだ遅れがあるとのことですが(他のレビューとも合致)、そもそもこれまでネイチャーフォト中心であまりネガは感じてきませんでした。むしろレビューで言及されている通り画質の良さが本当に嬉しかった。
とはいえ最近は子どもが走り回るようになってきたので悩ましかったのですが、子ども撮るくらいなら最新世代のLUMIXのAF使えるかな...S5からの買い替え検討します(S1IIEも興味あり。動画よりは静止画派なので)。
かずし
パナソニックはカメラに限らず、冷蔵庫やらもハイエンドはきっちり値段を乗せてくる印象なので、こんなもんかなあとは思っています。
GHシリーズもだんだん高価になっていったし。
G9やS5辺りは戦略機種だと考えてますね。
S1RM2ユーザー
価格に関してはどの機種をライバルとするかで全く印象が変わりますね。パナソニックとしては「S1 IIE」がそのレンジだと想定しているのではないでしょうか。(Eは2500ドルくらいだし)
「S1 IIE」は「S2」とか別のナンバリングにした方が別グレードの新機種として扱ってもらえたかもしれないですね。(現状はS1の廉価版という良くないイメージが…)
AFの改善は本当に喜ばしい事です。
lotus
本当一般人にはわかりづらい名前で損してる、あとこのご時世なんで仕方ないことですが、S5IIほど価格のインパクトがないのが勿体無いですね。
性能向上が価格の前に霞んでいる気がします。
パナソニックが想定している価格のライバルがもう一つ上のクラスだとしても一般ユーザーはZ6IIIやα7IVと比較するのは記事通りだと思いますし、ライバルと同じ値段+少しアップくらいでぶつけられないのが辛いところ。
なかなかパイを奪うには厳しい価格かなと。
α7Vが同じようなスペックで価格抑えめ、AIAFで登場...だとなかなか厳しいと思いますがLマウント陣営に頑張って欲しいです。
たっつん
Lマウント機の懸念は、動体へのAF性能だけでしたから。
シグマの300-600を活かせる機種が出たと言いますか。
多画素ではない24Mという最もバランスが取れた画素数に、広大なダイナミックレンジ、Lマウントユーザーには待ちに待った機種ですね。
シュワシュワ
部分積層はまだ歪みが目立つイメージがありますが、実際どうなんでしょう?
メカシャッターだとニコンなどより連写速度遅いですが、1コマ上げるのにも随分苦労したようなのでこっちを上げるのは望めないかな?
歪みや速度が流し撮りにも全然使えるレベルならLUMIXは使いたいと思うシステムです
価格は高くなりましたが3000ドルと噂されるα7Vと比べてどうなりますか?