シグマ「20-200mm F3.5-6.3 DG Contemporary」は広角端は甘くなるが高倍率ズームとしては優れた性能

PCMagに、シグマの20mmスタートの新しい高倍率ズーム「20-200mm F3.5-6.3 DG Contemporary」のレビューが掲載されています。

Sigma 20-200mm F3.5-6.3 DG Contemporary Review

  • 20-200mmは、その圧倒的なズーム域とフルサイズ対応にもかかわらず、驚くほどコンパクトだ。重さは1.2ポンド(約540g)で、タムロン28-200mmとほぼ同等だが、超軽量のLUMIX S 28-200mmよりは重い。
  • 手ブレ補正は搭載されていないが、対応カメラのほぼ全てがIBISを搭載しているので、これは深刻な欠点ではない。α7RIVでのテストでは広角側で1/2秒で手持ち撮影でも問題はなかった。しかし、望遠端や近接域ではファインダー内いくらかブレを感じた。
  • 20-200mmは完全な防塵防滴仕様で、シグマによると、同社のハイエンドレンズである24-70mm F2.8 DG DN Artと同等の耐候性を備えているということだ。
  • 鏡筒上の操作部は非常にシンプルだが、私はそれが悪いとは思わない。
  • ズームリングは思っていたよりも固く、少し力を入れないと動かない。フォーカスリングは非常に良好で、十分な重さがありながら指先で簡単に回せる。MFの使い勝手は抜群だ。
  • AFはこれまで使ったどの高倍率ズームよりも速く、近距離の被写体から遠距離の被写体の間を瞬時に移動する。
  • 最大撮影倍率は28-85mmでは1:2、200mmでは1:3.3で近距離まで撮影できるが、1:2の撮影ではかなり近距離になるので、被写体に影を落とさないように注意が必要だ。

  • 解像力は20mmでは中央はF3.5~F8で4800~5000本でExcellent(素晴らしい)からOutstanding(卓越した)の範囲だが、周辺部や四隅は甘く、平均すると「非常に良好」の範囲(4000~4400本)に落ち込む。20mmで周辺が甘いのは、広角端ではほとんどの高倍率ズームに共通する傾向だ。しかし、周辺部が実際に問題になるのは20mmだけで、少しズームするとより均一な性能になる。
  • 28mmでも中央はExcellent(素晴らしい)からOutstanding(卓越した)の範囲(F4からF8で4300~4700本)で、50mm F5~11(3900~4300本)、100mm F6.3~11(4400~4600本)、200mm F6.3~11(4300~4600本)でも同様の結果が確認された。この結果は高倍率ズームとしては優れた値だ。
  • 歪曲や周辺光量はカメラ内補正に強く依存しており、未補正の状態では20mmでは複雑な陣笠状の歪曲で、50-200mmでは顕著な糸巻き側の歪曲が見られる。どちらも極端に強い歪曲だ。
  • フレアは非常によく抑えられており、太陽を画面内や画面のすぐ外に置いて撮影したが、目立ったコントラストの低下やゴーストは見られなかった。絞り込んだ時の光条も満足いくものだ。

  • 20-200mm F3.5-6.3は、荷物を軽くしたい写真家にとって非常に便利なレンズだ。超広角から始まる焦点距離は、タムロン28-200mm F2.8-5.6と比べて大きな利点であり、さらにAF速度も速く、防滴仕様も備えている。これらの性能は、フルサイズカメラ用高倍率レンズ部門でエディターズチョイス賞を獲得するのに十分なものだ。
  • 良い点:超広角の画角、10倍ズーム、高速なAF、防塵防滴とフッ素コーティング、1:2のマクロ。
  • 悪い点:光学式手ブレ補正が未搭載、くらいのでボケや低照度撮影が制限される。

 

シグマ20-200mm F3.5-6.3は20mmの超広角スタートの10倍ズームという尖ったスペックながら、十分な光学性能を実現しており、加えてAFも速く、防塵防滴も採用しており、非常に魅力的な高倍率ズームに仕上がっているという印象です。

20mmでの周辺部の甘さが指摘されていますが、これはこのスペックのレンズでは仕方のないところです。気になったのはズームリングがかなり重そうなことで、ズーミングしながら動画を撮るにはあまり向かないかもしれませんね。