ニコン「ZR」はスペック面で「FX3」を圧倒しているが操作性では見劣りする

DigitalCameraWorldに、ニコンZRとソニーFX3の比較記事が掲載されています。

Nikon ZR vs Sony FX3: This fight is WAY closer than you might expect!

  • ニコンZRはREDのDNAを受け継ぐだけでなく、ニコンボディにREDの名を冠した初のカメラだ。ニコンは、ソニーFX3に対抗するために、あらゆる手段を尽くした。ZRとFX3の戦いがどうなるか見ていこう。


  • 価格:ZRが2199ポンド、FX3が3799ポンドで、ZRはFX3の半値に近いが、FX3よりも基本性能が高く、遥かに多くの機能を搭載している。ここではZRが勝者だ。

  • 操作性:サイズは高さと幅は同等だが、ZRの奥行きはFX3のわずか58%で驚くほど薄型設計で手に馴染みやすい。モニタはZRの最も優れた点で4インチと巨大で解像度はFX3の2倍以上だ。しかし、ZRはmicro HDMI端子やmicroSDカード採用、カードスロットが底面のバッテリーケース内なのでアクセスしにくいなどの妥協点もある。またボディが小さいためマウントポイントが1つ(FX3は5つある)しかなく、XLRポートの付いたモジュラーハンドルも用意されていない。ZRの小ささは素晴らしいが、操作性には妥協があり、ここではFX3に軍配が上がる。

  • スチル機としてのスペック:ZRはZ6III譲りでFX3よりも優れている。FX3の1200万画素センサーは天体などの低照度の撮影では有利だが、それ以外の連写や全体的な画質などの面ではZRが遥かに優れている。ZRには最新の被写体検出機能が搭載されており、IBISもFX3より優れている。ここではZRが勝者だ。

  • 動画のスペック:ZRは6K60p内部収録、RedcodeRAW、シャッターアングル調整、波形モニタなど、FX3が追いつけない圧倒的な性能を誇る。FX3はクリーンな映像を撮ることはできるが、かつてのような優位性は失われた。しかし、ZRにXLRハンドルが無いのは、オーディオ的に大きなマイナスとなる(ニコンがまともならハンドルは絶対に登場するはずだ)が、32bitフロートを内蔵しているのはZRだけで、これは大きなメリットだ。ここではZRが勝者だ。

  • レンズの選択肢:FX3がZRに対する最大のアドバンテージは、レンズの選択肢が圧倒的に多いことだ。ソニーは既に80本以上のレンズがあり(ニコンは40本)、更にサードパーティーに早い段階でマウントを開放している。しかし、ニコンもこのことは認識しており、シネマレンズの開発を発表し、ライカにシネマレンズ製造のライセンスを供与している。人気のPLマウントやEFマウントのレンズはもちろんZRで利用可能で、Eマウントのレンズも使えるが、ネイティブレンズの選択肢が大幅に少ないという事実は否定できない。ここではFX3が勝者だ。

  • 結論:この戦いは予想したよりも接戦だった。ZRはテクノロジーとスペックの面ではFX3を圧倒しているが、エルゴノミクスとデザイン面で見劣りする。XLR入力やバックアップ記録ができなことや、三脚から取り外さないとメモリカードが交換できないことなどは大きな欠点だ。しかし、Redcodeによる6K60p RAW内部収録、32bitフロートオーディオ、7.5段分の効果のIBISはこれらの欠点を補っている。ZRはFX3よりも技術的に優れており、どちらかを選ぶとしたらZシネマの波に乗ることを強く勧める。勝者はZR。

 

ZRは画素数がFX3の2倍ある最新の部分積層型センサーを採用しているので、低照度性能を除く全体的なスペックでFX3を上回っているのは当然と言えば当然ですね。とは言え、操作性やアクセサリーの有無などの点ではFX3が優勢で、FX3は5年近く前の機種としては健闘しているという印象です。噂のFX3IIが登場したら、ZRとの対決がどのような結果になるのか興味深いところです。