富士フイルム「X-T30III」は撮影体験は旧型とあまり変わらないが1000ドルの価格は非常に魅力的

PetaPixelのYouTubeチャンネルに、富士フイルムのX-T二桁シリーズの新型機「X-T30III」のレビュー動画が投稿されています。

Is the Fujifilm X-T30 III TOO Familiar?

  • X-T30シリーズがついに「X-Processor 5」を搭載し、富士フイルムの他の最新機種と足並みをそろえた。まずうれしいのは、バッテリー持ちの向上で、エコノミーモードではCIPA基準で425枚の撮影が可能だ。これは旧型に比べて確実に改善されている。
  • 背面モニターはX-T30 IIと同じで、上下方向のチルトのみ対応なので、横に向けたい時は不便だ。
  • 大きな改善点のひとつは、X-Processor 5によって最新のAFアルゴリズムが使えるようになったことで、最新機種に搭載されている被写体検出モードがすべて利用できる。これはかなり便利だが、残念ながら「顔・瞳検出」と「被写体検出」は依然として別メニューだ。「この2つを統合してほしい」とずっと思っているのだが、富士フイルムがやってくれるかかは...あまり期待していない。
  • AF全体の挙動は「富士フイルムらしい」ままで、トラッキングはまだ100%信頼できるとは言えない。カメラが自動で被写体を追う精度を高めるには、ユーザー側で設定をきちんと詰める必要がある。初心者には少し難しく感じるかもしれないが、設定を詰めれば十分良い結果が得られる。
  • 操作感について言えば、このカメラはX-T30 IIとほぼ完全に同じだが、このカメラには、初心者が使いながら上達していく余地がしっかりある。とはいえ、やはりこのカメラは初心者向けに設計されたモデルだ。
  • 動画機能 についてはX-T30シリーズにはずっと 2.5mmのマイク端子しかなく、ほとんどのマイクを使うには変換アダプターが必要だ。これこそが、このカメラの動画面での主な問題点だ。
  • このセンサー自体は動画に向いており、内部の仕様的には、実は映像制作者にとって魅力的な要素も多い。しかし、ボディ設計が、チルトモニタの採用やヘッドホンをUSB-C経由でしか使えない、小型ボディで熱管理や端子拡張に制約があるなど「スチル用カメラ」のままだ。それでも、新しい画像処理エンジンの恩恵はあり、F-Log2はダイナミックレンジが広く非常に美しくグレーディングでき、オープンゲート記録にも対応する。もしあなたが本格的に動画を撮りたいなら、少し高価でも X-S20にステップアップした方がよいだろう。
  • X-T30IIIを使っての体験を振り返ってみると、率直に言って「これまでと非常によく似ている」という印象だ。「新しいプロセッサーによる改良」が中心で、確かにいくつかの便利な進化はあるが、撮影体験そのものは、これまでとほぼ変わらない。
  • 上位モデルの価格がどんどん高騰しているので、そう考えると、X-T30 IIIが約1000ドル前後で購入できるというのは非常に大きな魅力だ。性能も十分高く、初心者にも、フォトグラファーのサブ機にも適した一台だ。

 

X-T30IIIは撮影体験には旧型と大きな違いはないと述べられていますが、AFに被写体認識が入り、動画機能が強化されているので、かなり撮影の範囲は広がりそうですね。堅実な正常進化モデルですが、低価格な機種が減っている現在では、X-T30III 比較的安い価格でそれなりに優れた機能のカメラが手に入るという点では評価されそうです。