ソニー「α7V」はスチル機としては「EOS R6 III」よりもわずかに優れている

PetaPixelに、昨日発表されたソニーの部分積層型センサー搭載機「α7V」のレビューが掲載されています。

Sony a7 V Review: Don't Call It a Comeback

  • EVFは従来と同じ369万ドットで、この価格帯のカメラではこれは当然の仕様だろう。背面の210万ドットの液晶モニタはα7RVの優れた可動式デザインを採用している。
  • 消費電力が大幅に少ない最新のBionz XR2プロセッサーの採用により、バッテリーライフはEVF使用時でCIPA規格で約630枚と大幅に向上している。
  • 通常、積層型センサーを使用すると、ダイナミックレンジはある程度低下するが、α7Vはこの傾向を覆し、旧型のα7IVと比べて顕著な改善を実現している。

  • AFは信頼性が高く、使いやすく、被写体の追尾性能も非常に高いと感じた。木や障害物があっても人物を追尾できるかどうかをテストしたところ、適切に追尾が維持され、安定した結果が得られた。
  • 顔と瞳の検出機能は、カメラが被写体の胴体と手足を検出・追尾することでさらに強化され、スポーツやアクションシーンの撮影に役立つ。検出モードを自動で切り替える機能もあるが、適切なモードを手動で切り替えた方が安定感があるように感じた。
  • カメラのバッファーは、メカシャッターならカードがいっぱいになるまで問題なく連写できるが、電子シャッターでより高速な連写をする場合は、バッファーフルで速度が低下するまでに、約75枚程度(RAWでもJPEG でも)だ。
  • メカシャッターと電子シャッターは画質の違いがはっきりと分かる。メカシャッターを使用した場合、シャドー部のディテールと鮮明度は明らかに向上する。
  • 画質をα7IVと比較すると、α7Vはディテールが向上し、ノイズが少なくなっている。

  • 動画は部分積層センサーの採用により読み出し速度が3倍近く高速化したことで、4Kモードが従来のα7IVよりも格段に使いやすくなった読み出し速度は約10ミリ秒で、これはα7S IIIやFX3の動画撮影に最適化されたセンサーと同等の性能だ。
  • α7Vの欠点の1つは、4Kより高解像度の動画撮影ができないことだ。4K動画はセンサーの全域から生成されるが、7K動画を録画する機能がない。また、センサーはオープンゲート記録を可能にするのに十分な速度を備えているにもかかわらず、この機能も搭載されていない。このクラスの他の競合製品はすべて、より高解像度の動画撮影に対応している。
  • α7Vがオープンゲートに対応していないのはαで採用されているコーデックのためだろう。オープンゲートを実現するにはソフトウェア側の再構成が必要になるということだ。
  • 3機種の競合機種はすべてRAW動画を内部収録できるのに対し、α7VはRAW動画には全く対応しておらず、外部レコーダーでも記録できない。
  • 新しいメニューオプション「4K画角優先」は、ノイズリダクションが無効になるという欠点がある。
  • 動画のAFは専用AIチップを搭載していなかったα7IVと比べて大幅に進化している。信頼性の高い結果を得るためにAF設定を微調整する必要がほとんどないのが気に入っている。
  • ソニーが苦戦している動画の手ブレ補正は。デジタルアシストなしでIBISのみを使用すると、優れた効果は得られず、アクティブモードに切り替えるとかなり改善されるが、それでもブレが残る。最新のダイナミックアクティブモードを使うと大きくクロップされ、通常よりも速いシャッタースピードで撮影しない限り、ブレたフレームも見られる。動画の手ブレ補正は、パナソニックが依然として大きな優位性を持っている。
  • 動画の長時間録画は非常に強く、室温の屋内では、XAVC-HS、24p、60p、120pのいずれのフォーマットでも、約2時間録画でき、オーバーヒート警告は表示されず、バッテリー切れとなった。CFexpressカードを使用し、All-I、600Mbpsで4K60pで録画した場合でも、バッテリーがなくなるまでオーバーヒートは発生しなかった。非常に高温な環境や直射日光下では分からないが、屋内ではα7Vはオーバーヒートの心配はなさそうだ。
  • 高解像度とオープンゲート記録がないことにはがっかりしたが、α7Vは間違いなく市場で最も印象的な4Kカメラの1つだ。動画スペックは最高とは言えないかもしれないが、素晴らしいパフォーマンスを発揮する。
  • α7VによってFX2がほぼ無価値に見えてしまう。冷却ファンが絶対に必要な場合を除けば、α7Vはあらゆる点でFX2よりも優れた動画機だ。

  • 純粋なスチルの撮影なら、画質とAF性能の点でα7VはEOS R6 Mark IIIよりもわずかに優れていると思う。しかし、スチルと動画のハイブリッド機としては、EOS R6 III がわずかに優れていると思う。しかし、その違いはわずかでどちらのカメラもそれぞれのメーカーで最も完成度の高い製品と言えるだろう。どのような用途にも十分対応できるカメラを探しているならα7Vは間違いなくあらゆる面で満足できるだろう。

 

α7Vは部分積層型センサーと新しい画像処理エンジンの採用によって、動体撮影にかなり強くなっているようですね。また、センサーの読み出しを高速化しながら、画質も旧型のα7IVよりも改善されているのはポイントが高いです。

動画は6K・7Kやオープンゲート記録にこそ対応していませんが、バッテリーが無くなるまで全くオーバーヒートしないのは魅力的ですね。価格も噂されていたほどは高くないので、広い用途で使える万能機を探している方には、α7Vはよい選択肢になりそうです。