オリンパスM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8は平均並みの性能

 LensTip に、オリンパスM.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8のレビューが掲載されています。

Olympus M.Zuiko Digital 17 mm f/1.8

  • フォーカスリングの回転角は90度でスムーズに回転する。フォーカシングでフィルター枠は回転しない。
  • 付属品はマニュアルとプラスチップキャップのみで控えめだ。オプションで金属フードと金属キャップが用意されている。
  • 解像力テストはE-PL1を使用し、RAWで撮影しており、良像の基準は42-44lpmmだ。中央の解像力は開放から50lpmmを超えており、十分に実用的な画質を得られる。絞ると解像力は改善し、F4で最高になる。このときの解像力は66lpmmで、シャープな画像を楽しめるが、単にまともな数値というだけであってそれ以上ではない。パナソニックの20mm F1.7は75lpmmに達し、F2.8でも70lpmmを超えている。これと比べるとオリンパス17mm F1.8は見劣りする。
  • 周辺部の性能でも同じことが言える(開放で42lpmm前後、F4で52lpmm前後)。周辺部ではオリンパスとパナソニックの解像力の差は小さくなるが、ここでもパナソニック20mm F1.7の方が良好だ。オリンパス17mm F1.8はサイズが大きいので、周辺部でパンケーキタイプのレンズを凌駕すべきだが、残念なことにそうはなっていない。
  • 軸上色収差は良好に補正されている。開放付近ではボケている部分にわずかに色付きが見られるが、これは実写では気にならない。
  • 倍率色収差は絞り値にかかわらず0.12%前後の値で、軸上色収差より問題がある。これは中程度の値だ。
  • 歪曲はJPEGでは自動的に補正される(-0.85%のタル型)が、未補正のRAWでは-5.80%の極めて大きなタル型だ。フォクトレンダーNokton17.5mm F0.95は-1.7%、パナソニック20mm F1.7は-3.66%、オリンパス17mm F2.8は-5.45%で、オリンパス17mm F1.8はテストしたレンズの中で最も悪い結果だ。
  • 周辺光量落ちは開放では49%(-1.97EV)で、実に大きい値だ。絞るとF2では41%(-1.54EV)、F2.8では29%(-0.97EV)になる。顕著に改善するのはF4まで絞ったときで、このとき22%(-0.72EV)だ。それ以上絞っても周辺光量落ちは改善しない。パナソニック20mm F1.7は若干明るいが開放で44%で、オリンパスよりも周辺光量落ちは低い値だ。
  • 逆光耐性はこのレンズの大きな長所で、絞りにかかわらず全く問題は見られなかった。このカテゴリでは、17mm F1.8は紛れもなく賞賛に値する。
  • AFは本当にノイズレス(わずかな作動音さえ聞こえない)で、非常に速い。E-PL1では最短から無限遠まで0.5-0.6秒以下で、とても良好な結果だ。スタジオでは一度のフォーカスミスもなく、AF精度の問題はない。
  • このレンズは開放から概ねシャープで実用的な画質が得られるが、これまでのオリンパスのレンズに比べて劣っている。オリンパスは本当にズバ抜けたレンズを製造することができるメーカーで、何度もそれを証明してきた。私はオリンパスが17mm F1.8のような平均並みのレンズをこのような価格で発売して何を期待しているのか理解できない。
  • このレンズは20mm F1.7のパンケーキに比べて、明るくもなく、m4/3センサーの性能をフルに引き出してもいない(周辺光量落ちは大きく、周辺部の画質は平均並みで、歪曲や非点収差などの収差の補正も弱い)。必要とされているレンズだが、現行の価格ではダメだ。このレンズの価格が引き下げられれば、m4/3システムは、キットレンズを補完する出来のよいしっかりした単焦点レンズを得ることになるだろう。
  • 良い点: とても使いやすく頑丈な鏡筒、中央のしっかりとした画質、軸上色収差が少ない、コマ収差が穏やか、逆光耐性が良好、手際がよく正確なAF。
  • 悪い点: 歪曲が非常に大きい、周辺光量落ちが顕著、非点収差が極めて大きくF5.6まで見える、付属品が少ない。

 

かなり辛口の評価になっていますが、解像力は開放からまずまずの値で、絞れば十分高い値になるので、解像力の面では特に問題はなさそうです。

ただ、m4/3の単焦点レンズは際立って優秀なレンズが多いので、それらと比べると光学性能のテストの数値は全体的に少し控えめという印象です。このレンズはレビュアーによって評価が分かれているので、最終的にはサンプルを見て判断するしかなさそうですね。