オリンパス7-14mm F2.8 PRO は中央の解像力は際立っているが像面湾曲が大きい

photozone に、オリンパスの超広角ズーム「M.ZUIKO DIGITAL 7-14mm F2.8 PRO」のレビューが掲載されています。

Olympus M.Zuiko Digital 7-14mm f/2.8 PRO - Review / Test Report

  • 鏡筒は金属製でしっかりと組み立てられており、ズームリングとフォーカスリングはスムーズに回転する。内側の鏡筒はズームで若干動くが、レンズの全長は変わらない。12-40mm F2.8 PRO と同様に、AFとMFを切り替えるフォーカスクラッチ機構が採用されている。
  • AFは快適な速度で、ノイズレスだ。マニュアルフォーカスはバイワイヤ(モーターによる駆動)だが、機械的なフォーカス機構と比べて違いはない。
  • 歪曲はJPEGでは自動補正され、7mmではとても穏やかなタル型(-1.27%)で心配はない。一方、RAWでは7mmで7.2%のタル型で、これは大き過ぎる値だ。10mmでは-2.8%でかなり改善するが、それでもなお非常に目立つ。14mmでは歪曲はかなり完璧に補正されている(0.127%)。
  • 周辺光量落ちはJPEGでは自動補正され、7mm以外では0.5EV前後の穏やかな値だが、7mmではもう少し目立つ(0.7EV)。意外なことに、RAWでも周辺光量落ちは7mmで0.5EV大きくなるだけで、それほど大きな違いはない。
  • 解像力は、広角端での激しい像面湾曲を無視した"ピント面" での測定結果はとても素晴らしい。7mmでは、中央の解像力は際立っており、周辺部や隅は中央ほどではないが、良好~とても良好な値だ。この傾向は10mmでも同じだ。14mmでは周辺部が若干改善する。
  • 7mmの像面湾曲込みの解像力(中央でピントを合わせた時の解像力)は、中央は同一だが、隅はF2.8とF4では完全に破綻している。F5.6では深度が増し、この欠点を補っているが、隅でピントを合わせた時の解像力にはF8まで絞っても届かない。実写で、無限遠にある被写体で隅々までシャープな画像を得るには、F8まで絞ってピントを若干手前に合わせるべきだ。これで隅にピントが合うだろう。
  • 倍率色収差はほとんど気にならない値だ(0.09~0.22ピクセル)。
  • このレンズは良い部分と悪い部分がある印象だ。テスト結果は、主に広角端の像面湾曲のために、期待には少しばかり届いていない。像面湾曲を意識してそれ相応に撮影(ピント位置をずらして撮影)すれば、良い結果を得られるだろう。
  • パナソニックの7-14mm F4 と比べると、オリンパス7-14mm F2.8は明るいので、暗い場所での撮影が多いならオリンパスだが、私はパナソニックの方がより軽量コンパクトで、像面湾曲の点でも優れているので、パナソニック7-14mm F4をそのまま手元に置いている。

 

光学性能の評価は5点満点中3点で、まずまずの評価ですが、像面湾曲のためにかなり減点されたようで、オリンパスのPROシリーズのレンズとしては少し低目の評価になっています。ただ、このレンズは、ePHOTOzineのレビューでは広角端の周辺部も優れた解像力だったので、この評価はテストしたレンズの個体差が影響している可能性もあるかもしれませんね。

[追記] 補足ですが、歪曲(タル型や糸巻き型の歪み)と、像面湾曲(ピント面が平面にならずに曲がってしまうこと)は別の収差ですのでご注意ください。ちなみに湾曲は後処理で補正できません。