キヤノンEF24mm F1.4L II は開放付近の性能が明らかなウィークポイント

PhotozoneにキヤノンEF24mm F1.4L II のフルサイズ機(5D Mark II)によるレビューが掲載されています。

Canon EF 24mm f/1.4 USM L II - Review / Test Report

  • 金属性で防塵防滴の鏡筒は美しく精巧に作られている。幅広いフォーカスリングは滑らかで少ししっとりとした感触。フォーカス時にレンズの全長は変わらず、前玉も回転しない。AFはリングUSMのために非常に速く、静か
  • 歪曲は-1.4%の穏やかなタル型で、広角レンズとしては極めてよく補正されている
  • 周辺光量落ちは、F1.4では3EV以上の極めて大きな値で、どのような画像でも容易に目立つ。周辺部の陰りはF2でもまだかなり大きく(1.9EV)、周辺光量落ちが問題になるような場合はF2.8まで絞って使うとよい
  • このレンズは絞り値によって、ジェットコースターのように解像力が急激に変化する。中央の解像力は完璧だが、周辺部と四隅の解像力は開放ではよいとは言えない。F2では周辺部の多少解像力は向上するが、画面全体でしっかりとした画質を得るためにはF2.8まで絞る必要がある。幸いなことに、F4~F8での解像力は素晴らしく、特に中央は傑出した解像力だ
  • 倍率色収差は1ピクセル前後で、このタイプのレンズでフルサイズでの測定値としては極めて良好。軸上色収差によるボケの輪郭の色ズレは、F1.4では目立つが、F2で減少しF2.8まで絞れば問題なくなる
  • ボケ味は特に開放では少々うるさいが、F2では少しよくなる。ボケ味はあまり感心しないが、広角レンズは非球面を使っているので、この結果はそれほど驚くようなことではない
  • F4からF8の間では極めてシャープで、このクラスのレンズとして良好な性能を示すが、開放での性能は良くはなく、周辺光量落ちは極めて大きく周辺部が甘いことが明らかな欠点。このレンズの能力と制約を承知した上で使うならとてもよいレンズだ

 

開放付近での周辺部の解像力の低さと周辺光量落ちの大きさが響いたようで、光学性能の評価は5点満点で3点と、この価格帯の単焦点レンズとしてはやや厳しい評価となっています。ただ、周辺部の解像力は絞れば急激に向上するので、風景などで使う場合でも問題はなさそうですね。