・Nikon Nikkor AF-S 85 mm f/1.4G - lens review
- 鏡筒はマグネシウム合金製。防塵防滴で厳しい環境でも撮影することができる。旧型と異なりインナーフォーカスなので、ピント合わせで前玉・後玉は動かない。ピントリングは適度な重さでスムーズに動くが、回転角が100度しかなく、正確にピントを合わせるには非常に細かな操作をしなければならないのは問題。ちなみに、Nokton 58mm F1.4は回転角が210度ある。
- テストはD3Xで行った。中央の解像力は開放ではちょうど30lpmm(基準値は30lpmm)で、F1.4でも十分に実用的と言える。これまでに、開放でこの値に達したのはキヤノン85mm F1.2LとSamyangの85mm F1.4だけだ。F2ではキヤノンは40lpmmを超えるが、ニコンは33lpmmだ。この結果はソニー(ツァイス)やミノルタ、Samyangの85mm F1.4と同じ値で悪くはない。F2.8まで絞ると、ニコンは前述の3つのレンズをリードするがキヤノンにはまだ及ばない。F4~F5.6では解像力は44lpmmの極めて高い値に達し、これまでのレコードを破る結果。
- 周辺の解像力は、開放で既に実用になるかどうかボーダーラインの解像力で、1段絞れば全く問題のない画質になる。周辺部の解像力では、フルサイズではF4まで絞って実用的な画質になるキヤノンの85mm F1.2Lよりも明らかに勝る。ニコンに拍手喝采だ。
- 色収差は開放付近で0.1%で最も大きくなるが、これは中程度のレベル。1段絞れば、色収差は減少し"低い"のレベルになる。それ以上絞れば色収差は無視してよいレベルになる。
- 歪曲はフルサイズで-0.41%(APS-Cで-0.19%)の糸巻き型で、このカテゴリーのレンズとしては無視してよい値。周辺光量落ちは開放ではAPS-Cで25%、フルサイズでは48%(-1.9EV)で、ここではライバルよりも劣っている。
- 逆光耐性は良好。ゴーストが出るのは特定の位置に光源が入ったときのみで、その場合でも常に出るわけではない。フレアが出ても強烈なものではなく、全体的なコントラストは悪くない。SWMモーターによるAFは静かで効率的。AFを外したのは4%でAF精度は良好な結果。
- 意地の悪い人なら「ニコンの85mm F1.4は1700ドルもするのに、開放付近ではSamyangの85mmと同じくらい画質で、色収差や歪曲、周辺光量落ちもSamyangのほうがまさっている」とまとめるかもしれない。しかし、意地が悪いだけでなく正直であるなら、「ニコンは絞ればSamyangやZeissより著しくシャープで、周辺部はどの85mmよりもシャープ。逆光にも強く鏡筒の作りも素晴らしい」と付け加えるだろう。ニコンの85mm F1.4Gに高額なお金を払う価値があるかどうかは、人それぞれだ。
テストの結果は非常に優秀で、このクラスのレンズでトップレベルの性能と言ってもよさそうです。フルサイズ用の大口径レンズでは、絞っても周辺部があまり解像しないレンズも多いですが、このレンズでは全く問題なさそうです。価格は確かに高いですが、最高の性能を求めるユーザーには魅力的な存在かもしれませんね。
やせうま
85mmで周辺部のシャープさがどれくらい必要かは使い方次第ですが、全体的によくまとまったレンズのようですね。
しかし金額はEF85mmF1.2LⅡ(ガラスの塊)並というのはボッタクリ感があります。ガラスの塊の方はこのレポートでも最強のポートレートレンズの面目を保っていますし。
こうなるとシグマの85mmF1.4が楽しみです。こちらの出来次第ではアマチュア層はシグマに流れそうです。
キヤノンもEF85mmF1.8のリニューアルを急がないと同じ道をたどりそうですね。
クロウサギ
VRが付いていたら、もっと評価は上がっていたんじゃないでしょうか?
確かに金額を考えると、3万円のSamyangが評価されるのかも知れません。
しかし、Samyangを使っている私からすると、やはり開放近くでの撮影にはAFが欲しいですよ。ホント。
to
前モデルが157,500円、このモデルが225,750円と、価格が1.5倍になっていますからね。
前モデルの評判もいいだけに、買い替えないユーザーも少なからずいるようです。
レンズのリニューアルに積極的なニコンですが、価格が高くてついていけない部分も……。
ヒロウ・ニテッスル
あまり絞りたくない高画素機には、開放から周辺が使える新85mm、貴重では。解像のピークが来る、やや絞りではとんでもなくきれる様ですし。その上で、まとまりが良い分、高価なのは、いつものニコン。
とりあえずは、DXもFXも、それぞれに手抜きなく頑張っているニコンには、マジで拍手、で良いと思います。
いべりこ
85mm f/1.4 といえば Nikon の顔、
レンズのフラッグシップとでもいう存在ですね。
性能も凄ければ価格も凄い。
決してお買い得レンズにはならないでしょうねぇ…。
feuille
まだ購入したばかりでTest中ですが
前モデル(8514D)以上の描写力があり
ニコンを代表するレンズになると思います。
私は暗い屋内や、LIVE撮影に使う予定ですが
前モデルでもVRを必要と感じた事がありません。
VRは補正レンズを追加するので
どうしても暗く大きく重く、高価になりがちです。
最近のカメラは高感度でもノイズが入らないので
そこそこのシャッタースピードでカバーできます。