ニコンAF-S DX 55-300mm F4.5-5.6G VRは価格を考えれば素晴らしいレンズ

SLRGearに、ニコンAF-S DX NIKKOR 55-300mm F4.5-5.6G ED VRのレビューが掲載されています。

Nikon 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR AF-S DX Nikkor (Tested)

  • 解像力は200mm以下では、開放で2blur Units(不鮮明さを表す数値で小さいほどシャープ)で均一では無い(グラフが波打っている)が、しっかりとした解像力。300mmでは解像力は均一になるが、四隅の甘さが3blur Unitsに上昇する。
  • 1~2段絞ると広角側では非常に良好な解像力になり、70mmと100mmではF8まで絞れば、画面全域で非常にシャープになる。135mmでもまだとても良好だが、200mmと300mmではF8~F11まで絞っても2blur Unitsの値を下回らない。
  • 色収差はワイド側で絞り込むと大きくなるが、135mmまで非常に小さな値だ。200-300mmでは色収差は特に四隅では大きくなり問題がある。
  • 周辺光量落ちは、問題になるとしたらワイド端と100mm以上だが、それでさえ、わずか1/3EV落ちるだけで、絞れば周辺光量落ちは無視してよい値になる。
  • 歪曲はこのクラスのレンズの典型で、望遠側では(一つの画面内で)タル型と糸巻き型の双方が混ざったもの。ワイド端付近では+0.3%前後のわずかなタル型だが、62mmを過ぎると周辺部は糸巻き型になり、一方で中央はわずかなタル型のまま。100mm以上では歪曲の平均はほぼ+0.3%のタル型だが、周辺部はピークで-0.5%の糸巻き型になる。
  • AF速度はAF-Sレンズにもかかわらず比較的遅く、無限遠から近接までD300Sで1.5秒かかる。AF-Sレンズだが、フルタイムマニュアルフォーカスはできない。フォーカス時には、前玉が回転するので、偏光フィルターの使用は難しい。
  • 鏡筒はポリカーボネート製(マウントは金属)で極めて軽いが、それにもかかわらず、このレンズはより高価なレンズと同じくらい頑丈な作りで、安っぽい感じはしない。ズームリングはスムーズで自重落下はない。フォーカスリングは後から付け足した感じで、正確なMFは不可能ではないが、このレンズはMFで使うユーザーを対象としていないのは明らか。
  • ニコンの55-200mm F4-5.6G VRと比較すると、55-200mmのほうが若干シャープで均一な解像力だ。色収差と歪曲は同じくらいだが、周辺光量落ちは新型(55-300mm)のほうが大幅に少ない。
  • シグマの50-200mm F4-5.6 OSと比較すると、解像力、周辺光量落ち、歪曲は互角。色収差はニコンのほうがかなり良好。
  • タムロンの18-270mm VCと比較すると、解像力と色収差は同等で、中間域ではタムロンが良好だが、テレ端ではニコンが良好。タムロンは高倍率ズームなので歪曲や周辺光量落ちは、状況が異なっている。
  • このレンズは開放からシャープで、絞れば更にシャープになる。色収差や周辺光量落ち、歪曲などの特性もこのクラスに期待するレベルかそれ以上だ。価格を考えれば、このレンズは素晴らしい買い物だ。

 

2万円台で販売されている低価格な望遠ズームですが、このクラスで金属マウントが採用されているのはポイントが高いですね。鏡筒の仕上げも、価格を考えるととても良好のようです。

光学性能もなかなか立派で、特に中間からワイド側では相当シャープですね。望遠側は多少甘くなるようですが、これはこのクラスのレンズはどれも同じような傾向なので、特に問題はないと思います。