タムロンSP AF17-50mm F2.8 VCは旧型(非VC)の性能にはやや及ばない

Photozoneに、タムロンSP AF17-50mm F2.8 XR Di II VC LD Asperical [IF]のニコンD7000による再テストが掲載されています。

Tamron AF 17-50mm f/2.8 SP XR Di II LD Aspherical [IF] VC (Nikon) - Review / Test Report

  • ハイエンド向けのSPレンズだが、造りのクオリティは一般向けのズームレンズとして標準的なもの。ズームリングは極めてスムーズ。フォーカスリングは非常に回転角が小さく、正確なマニュアルフォーカスは少々難しい。AF時にフォーカスリングが回転するのは時代遅れだ。インナーフォーカスのため、前玉は回転しないので、偏光フィルターの使用は容易。
  • AFは従来型のマイクロモーターだが、回転角が小さい(40度)ので速度の点では問題ない。しかし、ノイズは顕著だ。AF精度はテストしたカメラでは問題はなかった。
  • 歪曲は17mmでは-3.45%の極めて大きなタル型で、非VC(旧型)よりも若干悪くなっている。24mmでは歪曲は大幅に減少し(-1.14%のタル型)問題はなくなる。35mmと50mmでは歪曲は目立たない。
  • 周辺光量落ちは1EV前後だが、F4まで絞れば大部分の問題は解消する。しかし、17mmではF4でも、まだわずかな周辺光量落ちに気付くかもしれない。
  • 解像力は17mm開放では中央と周辺部はとても良く(very good)、絞れば中央は最高レベル(excellent)に達する。四隅はF2.8では感心しない値だが、絞れば良い(good)~とても良い(very good)の解像力になる。このレンズには像面湾曲の問題があるので、望遠側では周辺部/四隅をシャープに写したければ、開放は避けた方がいい。しかし、中央部の解像力は高いレベルで、周辺部もF4まで絞れば改善する。
  • 倍率色収差は、最も悪い17mmでも1.5ピクセル前後で、このクラスのレンズとしてはとても満足のいくもの。
  • ボケ味は50mmでテストしたが、前ボケも後ボケも概ねとてもスムーズ。ハイライトのボケは、F2.8では輪郭が目立つが、F4では改善する。ピント面の直前を除けば、このレンズはとてもスムーズなボケ味で満足いく柔らかさ。口径食の影響は、F2.8では見られるがF4以上では解消する。
  • このレンズはスペック的にはとても期待できるものだが、非VC(旧型)の素晴らしい性能にはやや及ばない。最大の弱点は、開放付近で周辺部と四隅がかなり甘くなることだが、絞れば高画質になる。歪曲は標準的だが、色収差は少ない。ボケはこのクラスのレンズとしてはきちんとしている。このレンズは、手ブレ補整と明るさの両方が欲しい場合に初めて意味をなすレンズで、手ブレ補整(VC)の優先順位が低ければ、非VC(旧型)の方が低価格でよい結果が得られる。

 

光学性能の評価は5点満点中3点で悪くはありませんが、VC非搭載の旧型が同じD7000でのテストで3.5~4点の高評価となっているのと比べると、新型は少々見劣りする結果となっています。

MTFを比べると、確かに旧型のほうが全体的に一回り高い値になっているので、VCを搭載したことによる影響が少し出ているのかもしれませんね。とは言え、価格を考えれば十分な性能のレンズで、コストパフォーマンスは抜群と言ってもよさそうです。