ツァイスDistagon T* 35mm F1.4は軸上色収差が唯一の欠点

LensTipに、ツァイスのDistagon T*35mm F1.4 ZF.2のレビューが掲載されています。

Carl Zeiss Distagon T* 35 mm f/1.4 ZE/ZF.2 - lens review

  • フォーカスリングは、快適で申し分のない重さがある。
  • 中央の解像力は期待通りで、開放から既に十分に実用になる。F2に絞ると40lpmm(D3Xできちんとした画質の基準となる値は30-31lpmm)に近い非常に高い解像力になり、更に絞ると、D3Xのセンサーで記録した最高の値(レコード)を破る値になる。
  • 周辺部は開放では甘いが、1段絞ればAPS-Cでもフルサイズでもしっかりとした画質になる。ここでは、価格が1/4のSamyangの35mm F1.4が開放ではツァイスと同等の解像力で、絞るとツァイスを超える解像力になるという点を除けば、(ツァイス35mm F1.4)の性能に全く文句はない。機械的な造りの点では、Samyangはツァイスに全く及ばないが、光学性能においては張り合っている。
  • 軸上色収差に関しては、これまでテストして同クラスの全てのレンズで問題が見られたが、ツァイスも同様で、同クラスのレンズの中でもよくない。この問題は深刻で、白い被写体を開放付近で撮影すると、容易に紫の色と縁取りが付いてしまう。
  • 倍率色収差は開放付近では中程度のレベル、絞った場合は中~低いのレベルで、軸上色収差に比べればずっとよく補整されている。ここでは、ツァイスはニコンやキヤノン、ソニーのライバルに勝っているが、Samyangには負けている。Samyangの倍率色収差の補整は、このクラスでベストだ。
  • 歪曲はAPS-Cで-0.74%、フルサイズで-1.48%のタル型で、どのライバルもよく似た値だが、ツァイスが最も優れている。歪曲はフルサイズでさえ問題はないレベルで、賞賛に値する。
  • 周辺光量落ちは、APS-Cでは開放で32%(-1.1EV)で顕著だが、F2では大きく改善し17%(-0.53EV)になる。F2.8以上に絞れば問題は解消する。レンズが大きいので、もっと良い結果を期待したが、ツァイスはSamyangや小さなソニーの35mm F1.4に負けている(ニコン、キヤノンとは同程度)。
  • フルサイズでの周辺光量落ちは、開放で55%(-2.29EV)で容易に目立つが、ライバルと比較すると(APS-Cの時よりも)若干良くなっている。F2でも36%(-1.27EV)で、周辺光量落ちはしっかり認められるが、F2.8とF4では17%と8%で"低い"~"気にならない"レベルになる。
  • 逆光耐性は特別に悪くはないが、感心するほど良いわけでもなく、ニコンや安価なSamyangに負けている。
  • このレンズは中央は際立ってシャープだが、一方で周辺部は安価なSamyangに負けている。過度に悲観的な結論は出したくないが、おそらく、我々の期待(ツァイスにすべてのライバルを打ち負かして欲しいという)が大きすぎたのだろう。テストでは多くのカテゴリーで素晴らしい結果で、鏡筒のクオリティは実に素晴らしいが、軸上色収差が大きいことが唯一の欠点だ。

 

結論はあまり肯定的な口調ではありませんが、テストの結果はとても良好だと思います。光学性能は、カテゴリーによってライバル(ニコン、キヤノン、ソニー、Samyangの35mm F1.4)に勝ったり負けたりですが、ライバルも高性能なレンズばかりなので、数値での圧勝を期待するのはレビュアーも言っているように、期待のしすぎかもしれませんね。後は、数値に表れない"味"の部分での違いが気になるところです。