キヤノンEOS Kiss X6iのハイブリッドAFはX5より高速化さているがライバルのミラーレス機には及ばない

dpreviewに、キヤノンEOS 650D(Kiss X6i)の詳細なレビューが掲載されています。

Canon EOS 650D/Rebel T4i In-Depth Review

  • タッチスクリーンはレスポンスに優れ、直感的に操作することができる。多くの場面で従来の操作方法よりも効率的だ。キヤノンがタッチスクリーンを上手く組み込んだことを賞賛せずにはいられない。
  • ライブビュー中のハイブリッドAFは、従来のコントラストAFに比べて顕著に改善しており、600D(Kiss X5)に比べておよそ半分の時間で合焦する。しかし、残念なことにこの改善されたAFでも、現行のミラーレス機には劣っている。ライブビューのAFは一歩前進しているが、従来の位相差AFに比べると遥かに遅い。
  • コントラストAFは画面の大部分の範囲で使用されるが、像面位相差AFは画面の中央部分に限られる。
  • (OVF使用時の)従来の位相差AFは、暗い状況下でさえ、とても高速で素晴らしく正確だ。動体の追尾性能も極めて良好で、18-135STMを使用した比較的速い速度で動くサイクリストの撮影では、連写したうちのほぼ半数は申し分のないシャープさだった。
  • JPEGの高感度ノイズは、デフォルトのノイズリダクションの設定では、ISO1600-6400でライバルよりも若干ノイズが多い。これより上の感度(12800-25600)ではノイズリダクションが劇的に強くなる。X6i はX5と比べて全てのISO感度で高いノイズレベルを示しているが、ほぼ同程度のディテールを維持している。
  • RAWの高感度ノイズはおおまかに言ってライバルと同程度で、旧型のX5に比べるとわずかにノイズが多い。ISO6400以上になるとディテールがかなり不鮮明になる。
  • D3200とのISO6400(RAW)の比較では、X6i は色ノイズが多いが、色乗りも良く、いい勝負だ。
  • ダイナミックレンジはハイライト側が3.3EVで、ハイライトの飛び方は穏やか。ダイナミックレンジは旧型のX5を含むこれまでテストしてきた多くのキヤノン機と同様で、これはニコンやソニーのライバル、そしてベストm4/3機(E-M5)よりも若干劣っていることを意味している。
  • 解像力はJPEGで2400LPH前後で、これはほぼ18MPセンサーから期待する通りの値で、常識的な画像処理だ。RAWでは2600LPHまで分離するが、モアレが顕著に見られる。
  • 動画はこれまでのキヤノン機と同様、満足のいく色再現とコントラストで良好な画質だ。高感度も素晴らしい。動画のAFはX5のアキレス腱だったが、X6iでは、ハイブリッドAFによってAFが正しい方向に動くので、ずっと快適なものになっている。
  • X6i はとても良好な画質と操作性の容易さ、広範囲なマニュアルコントロールが一体となっている。タッチスクリーンは、一眼レフに新次元の操作効率をもたらすものだ。しっかりとした性能と操作性の良さでX6i には銀賞を贈るが、残念なことにライブビューのAFが遅いので、金賞を贈ることは控えたい。

 

総合点は77%の銀賞で、ライバルのD3200(73%の銀賞)より若干高い評価になっています。画質に関しては、X6i は基本的に従来のKiss X5とあまり変わらないようですが、操作性は出来のよいタッチスクリーンによってかなり改善されているようです。

注目のハイブリッドAFは、従来のコントラストAFよりは高速化されているものの、OVF使用時の位相差AFや、ミラーレス機(テストで比較対象となっているのはパナソニックG5)のコントラストAFには全く及ばないという結果になっているので、これはもう少しがんばって欲しいところです。