シグマ35mm F1.4 DG HSMは同クラスのライバルを凌ぐ解像力

SLRGearに、シグマ35mm F1.4 DG HSMのレビューが掲載されています。

Sigma 35mm f/1.4 DG HSM "A" (Tested)

  • フルサイズ機の1Ds Mark III との組み合わせでは、開放では中央はシャープだが、周辺部はかなり甘い。これは被写体を浮き上がらせるにはいいが、隅までシャープにしたい場合には絞る必要がある。F2では若干シャープになるが、隅の甘さはそれほど改善しない。F2.8まで絞ると隅々まで非常にシャープになる。この解像力はF8まで維持され、F11からは回折の影響が見え始める。
  • APS-C機(7D)との組み合わせでも、解像力のパフォーマンスはフルサイズと非常によく似ているが、絞り開放では若干良好になる。
  • 倍率色収差はとても良好で、これは全ての絞り値でほとんど変わらない。色ズレが見えたとしても、周辺部のハイコントラストの部分だ。更に注目なのは、大口径レンズでは目立つ軸上色収差が少ないことだ。ピントがはずれた部分で、マゼンタの色付きは見られるが、これまでテストした他の大口径レンズほど目立たない。
  • 周辺光量落ちはAPS-Cでは開放で1/3EVで、その他の絞りではわずかな値であまり問題はない。しかし、フルサイズではより顕著で開放で1EV以上落ちる。F2まで絞ると2/3EVまで改善し、F4以上では1/4EV以下になり、あまり目立たなくなる。
  • 歪曲はAPS-Cでは+0.2%のタル型で、かなり良く補正されている。フルサイズでは歪曲はわずかに大きくなり+0.25%のタル型だ。
  • シグマの超音波モーターはこれまでの経験では高速だったが、このレンズは若干異なっており、予想よりもAFは遅く、最短から無限遠まで1秒以上かかる。AF後にはいつでもフォーカスリングを回してピントを修正できる。
  • 絞り羽根は9枚で興味深いことに円形絞りではない。
  • 鏡筒の造りは良好で、とても頑丈に感じる。フォーカスリングは容易に回転するが、きちんとしたレベルの重さはある。また、フォーカスリングは最短と無限遠では回転が重くなる(ソフトストップ)。フォーカシングでフィルター枠は回転しない。
  • ニコン35mm F1.4Gと比較すると、同じ絞り値ではシグマが若干シャープで、シグマはニコンよりもカリカリにシャープになる。色収差もシグマが若干少なく、歪曲と周辺光量落ちは同等だ。ニコンは防塵防滴だが、シグマは防塵防滴ではない。
  • キヤノン35mm F1.4Lと比較すると、シグマはキヤノンよりも少しシャープだ。キヤノンはかなり隅が甘い。
  • ソニーの35mm F1.4Gは開放では非常に甘く、このカテゴリでは平均以下だ。ツァイス35mmのテストはまだ行なっていない。
  • シグマは素晴らしいレンズを造った。このレンズは、卓越した解像力、色収差の少なさ、歪曲の小ささなどの多くの好ましい点があるレンズだ。開放での周辺光量落ちはいくらか目立つが、開放時の周辺部の甘さと合わせると被写体を浮き上がらせることができる(四隅までシャープさが欲しい場合は絞る必要がある)。

 

Blur Indexを見る限りでは、開放付近は少し甘いようですが、絞ると急激に向上してF2.8以上では画面全域で非常に高い解像力になるので、ポートレートから風景まで幅広く使えそうです。

35mm F1.4としては比較的安価なレンズにもかかわらず、メーカー純正レンズをしのぐ光学性能を見せているので、このレンズは、このクラスの台風の目になるかもしれませんね。