キヤノンEF35mm F2 IS USMはとても良好な性能だが開放付近で四隅のシャープネスが不足ぎみ

Photography BLOGに、キヤノンEF35mm F2 IS USMのレビューが掲載されています。

Canon EF 35mm f/2 IS USM Review

  • EF35mm F2 ISは、それほど大きすぎず、重さも335gでそれほど重くはない。価格から予想される通り、L レンズではないにもかかわらず鏡筒の造りは非常に良い。鏡筒の外側とフィルター枠はプラスチック製だが、手にするととてもしっかりとした感触だ。
  • このレンズには距離目盛りと被写界深度目盛りがあり、後者はF11とF22しか印字されていないが、もちろん無いよりはマシだ。赤外指標の赤いドットもある。
  • フォーカシングはフルタイムマニュアルフォーカスが可能で、フォーカスリングの感触は素晴らしい。フォーカスリングの幅は狭いが、両端(最短と無限遠)で機械的に止まるので、無限遠にもセットしやすい。フォーカシングでフィルター枠は回転しない。
  • AFは高速で、テスト機の6Dとの組み合わせでは0.15秒前後で被写体にロックする。光量が豊富な場合でもそうでない場合でも、ほとんど全てのケースで正確に合焦し、AFの迷いはあまり見られなかった。AFは静かで動画に最適だ。
  • 色収差は素晴らしくよく補正されている。
  • 周辺光量落ちは、F2では非常に目立ち、完全に解消するにはF5.6以上に絞らなければならない。
  • 絞り羽根は8枚の円形絞りで、キヤノンはボケ味には気を使っている。サンプルを見る限りでは、ボケ味は大いに成功していると言える。
  • 中央はF2.8からF11の間では高い解像力で、F16とF22では回折の影響が見られる。隅はF4-F5.6で最もシャープになるが、中央ほどシャープではない。F8以上では隅の解像力は急激に落ちる。
  • 画質は概ねとても良好で、色収差はよく補正されており、歪曲は広角レンズとしては極めて小さい。逆光ではコーティングがフレアによるコントラストの低下を上手く抑えている。問題は開放で周辺光量落ちが目立つことで、また、より重大なのはF2-F2.8とF8以上で四隅のシャープネスが不足していることだ。
  • もし貴方がこの高い価格を払う余裕があり、L レンズではないことと、四隅のシャープネスの低下を気にしないなら、EF35mm F2 ISを推薦する。もし、大きさ・重さより光学性能を重視するなら、同程度の価格のシグマ35mm F1.4 DG HSMを推薦する。

 

周辺光量落ちと開放付近の周辺部の解像力が今一つのようですが、全体としてはまずまず良好な評価になっています。サンプルは曇天で条件が悪いので、もう少し良い条件のサンプルも見てみたいところです。

結論でも触れられていますが、安価で高性能なシグマの35mm F1.4との選択に迷いそうです。明るさと開放付近の解像力重視の場合はシグマ、携帯性とIS重視の場合はキヤノンという選択になりそうですね。