タムロンSP 24-70mm F2.8 Di VC USDは素晴らしい光学性能でコストパフォーマンス抜群のレンズ

dpreviewに、タムロンSP 24-70mm F2.8 Di VC USD のレビューが掲載されています。

Tamron SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD review

  • ズームリングとフォーカスリングはどちらも極めてスムーズに回転するが、ズームリングは比較的重い。AFとVCの切り替えスイッチは凹凸が少ないので、切り替えに少し力が必要で、操作性は若干ライバルより劣る。ズームロックスイッチの位置は、急いで操作するには少し不便だ。
  • AFは極めて速く反応が良いが、キヤノンの純正24-70mmほど速くはない。AF精度は、テストに使用したどのカメラ(Kiss X6i、60D、6D)では問題なかった。ライブビュー中はAFはかなり遅くなるが、これは使用するカメラに大きく依存する。ライブビュー中のAFはとても静かだが、周囲が静かな環境では、録画中にピント微調整時のモーター音が記録されるかもしれない。
  • 解像力はAPS-Cでは、実に素晴らしく、このクラスでベストの性能だ。中央は開放から非常にシャープだが、中間域では隅の解像力が若干低下する。解像力がベストなのはF5.6で、F11以上では回折の影響で甘くなりはじめる。
  • フルサイズの解像力は、中央はズーム全域で開放から高いが、隅はいくらか甘く、特に望遠端では甘い。とは言え、F4に絞るとズーム全域で画面全体の解像力が向上する。解像力が最も高くなるのはF5.6-F11で、それより絞ると回折の影響でボケ始める。
  • 倍率色収差はAPS-Cでは極めてよく補正されており、通常の用途では問題はおきそうもない。色収差はズームの両端で最も目立ち、ワイド側ではグリーン/マゼンタ、テレ側では赤/シアンの色ずれが見られる。フルサイズでも色収差は非常に少なく、若干の色ずれが見られるが、実写で大きな影響が出ることはめったにないだろう。
  • 周辺光量落ちはAPS-Cでは無視して良い。フルサイズでは広角端の開放で2EVで、非常に目立つ。絞ると周辺光量落ちは徐々に改善するが、完全には解消しない。望遠端では、開放で隅の最も外側の部分が急激に周辺光量が落ちる。これは均一なトーンの背景では非常に目立つが、F4まで絞れば解消する。
  • 歪曲は24mmでは比較的大きくAPS-Cでも目立つが、望遠側では改善し、35mm以上では問題はなくなる。フルサイズでは歪曲はより目立ち、24mmでは2.5%のかなり強いタル型で、望遠端では-1.7%の糸巻き型に変わる。建築写真のような用途では、歪曲の補正が必要になるかもしれない。
  • 手ブレ補正は、これまでテストしたタムロンのレンズ同様とても素晴らしい。24mmでは1/2秒で、VC OFFで1/30秒で撮影した場合と同様の良好な結果が得られた。これは約4段分の効果だ。1秒のシャッター速度でさえ、いくつかの完璧にシャープな画像が得られている。70mmでも同様で、4段分の補正効果が得られた。
  • 逆光では太陽を画面内に入れている場合でも、ほとんどゴーストやフレアによるコントラストの低下は見られない。逆光耐性は、全体的にきわめて素晴らしい。
  • ボケは1つ目のクローズアップのサンプルではスムーズで美しく魅力的だ。これは絞っても維持されている。2つ目のサンプルの遠距離にあるボケは若干うるさいが、決して不快ではない。
  • 24-70mm F2.8 VC にはとても感心した。光学系は素晴らしく、AFは速く静かで正確で、鏡筒の造りも実に良好だ。このレンズは、光学系と操作性の両面で、キヤノンやニコンの24-70mmにかなり近付いている。純正と違いはないとは言わない(AFは純正ほど速くはなく、防塵防滴も純正ほどではないだろう)が、コストパフォーマンスはずっと良好だ。
  • 良い点: 極めて良好な光学系、とても効果的な手ブレ補正、静かで正確なAF、素晴らしいフレア耐性、防塵防滴のとても良好な造り、純正と比べて競争力のある価格。
  • 悪い点: フルサイズでは開放で不快な周辺光量落ちがある、若干AF速度がキヤノン・ニコンの純正に及ばない(しかし、遅くはない)、AFとVCのスイッチがかなり固く素早く操作できない。

 

解像力は開放付近で若干周辺部が甘くなるようですが、少し絞れば周辺部まで十分な値になるようです。周辺光量落ちと歪曲は若干大きめのようですが、色収差は少なく全体としてはとても良好な性能と言ってよさそうです。

手ブレ補正の効果は広角側・望遠側とも実測で4段分と非常に強力なので、このレンズは夜景や暗い室内での手持ち撮影など、厳しい状況下での撮影で活躍しそうですね。