ソニーSonnar T* FE35mm F2.8 ZA は良好な性能だが価格が高い

Photozone に、ソニーのZeiss Sonnar T* FE35mm F2.8 ZA のレビューが掲載されています。

Carl Zeiss Sonnar T* FE 35mm f/2.8 ZA (Sony SEL35F28Z) - Review / Test Report

  • 鏡筒は、材質の感触を残念に思う人もいるかもしれないが、造りは実に素晴らしい。鏡筒は外側は金属製、内側はプラスチック製で、全てがしっかりと組み立てられ、ガタツキは無い。
  • フォーカスリングは若干の重さがあり、スムーズに回転する。ピント合わせはバイワイヤ(モーター駆動)で、この実装はとても良好で、非常にきめ細かくピントを合わせることができる。
  • (テスト機の)α7RはAF速度に関しては速くないので、レンズのAF速度については判定するのは難しい。カメラによるAFの迷いを無視するなら、このレンズのAFは速いように見える。AFの作動音は基本的にしない。
  • 歪曲はわずかな陣笠(0.738%)で、我々の測定ツールでは糸巻き型と判定される。歪曲は広角レンズとしては非常に小さい。
  • 周辺光量落ちは、自動補正ONでは開放で1.3EVで、フルサイズ用のレンズとしてはとても穏やかだが、絞ってもあまり改善せず、絞り込んだ場合でも1EVをわずかに下回る値(0.97EV)だ。未補正のデータでは状況は異なり、開放では周辺光量落ちは2.6EVの巨大な値になる。F8に絞っても1.6EVで、それでもなお良くない値だ。
  • 周辺光量の自動補正の影響は、信号の増幅によって中央よりも周辺部が明らかにノイジーになるために、はっきりの視認できる。興味深いことに、RAWファイルでもカメラ内補正をONにすると、影響が見られる。
  • 解像力は、中央は開放から既に非常にシャープだ。周辺部はとても良好(very good)だが、隅は少し甘い。隅は絞ると大きく改善し、ピークのF5.6では良い(good)~とても良い(very good)値になる。F11以上では回折の影響が見られる。
  • 倍率色収差は、周辺部で1ピクセルを下回る極めて低い値だ。これは、このような高解像度センサーによるテストでは、とても素晴らしい。軸上色収差はF2.8では顕著で、F5.6でさえ少し目に付く。
  • ボケは良好だが際立っているとはいえない。玉ボケは円形だが、玉の内部が若干うるさい。これは絞るとより顕著になる。F4で既に絞りの角ばった形が見えるのも少し残念だ。前ボケや後ボケは非常にスムーズだ。
  • このレンズは間違いなくとても良好な性能だが欠点もある。中央は素晴らしい画質だが、周辺部と隅は少し後れを取っている。歪曲は問題はないが、周辺光量落ちは自動補正OFFでは極めて大きい。ボケは、玉ボケの描写を除けばとても良好だ。このレンズは面白い選択肢だが、価格が高すぎる。

 

光学性能の評価は5点中3.5点で、際立った評価ではありませんが良好な評価になっています。このレンズは、数値的にはズバ抜けた部分はありませんが、軽量・コンパクトなフルサイズ用レンズとしては、全体にバランスよくまとまっているという印象です。