キヤノンEF24-105mm F3.5-5.6 IS STM は価格の割りに良好な性能

SLRGear に、キヤノンのフルサイズ用の標準ズーム「EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM」のレビューが掲載されています。

Canon EF 24-105mm f/3.5-5.6 IS STM (Tested)

  • 解像力は、APS-C機(7D)では、広角端の開放でさえ素晴らしい性能で、F5.6に絞ると画面全域で極めてシャープになる。解像力は50mmまでは広角端と同様だが、望遠側にズームするに従って隅は若干甘くなる。85mmと105mmでは、開放では隅はいくらか甘く、これを改善するには1段絞る必要がある。それ以上絞っても解像力は改善しない。
  • フルサイズ機(1Ds3)での解像力は、開放では隅はかなり甘い。レンズのベストの性能を引き出すにはかなり絞る(F8かF11)必要がある。
  • 倍率色収差はよく抑えられているが、とは言え、隅のハイコントラストな部分では容易に目に付き、等倍で見ると、グリーンとマゼンタの色ズレが見られる。
  • 周辺光量落ちは、APS-Cでは条件にかかわらず1/4EV以下で、大きな値ではない。フルサイズでは、24mm開放では1.5EVを超えるので、絞った方がいいが、かなり絞り込んでも1/2EVまでしか改善しない。
  • 歪曲は広角のズームで予想されるようにこのレンズでも見られ、24mmと35mmではタル型で、50mm以降の焦点距離では糸巻き型になる。歪曲が最小になるのは35mmを超えたところだ。歪曲はフルサイズ機でより目立つ。
  • AF駆動はステッピングモーター(STM)で、スムーズで静かに動作し、これは特に動画で有用だ。AF後にフォーカスリングを回転させることで、フルタイムマニュアルフォーカスが可能だ。フォーカシングでフィルター枠は回転しない。
  • 最短撮影距離は40cm、最大撮影倍率は0.3倍で、近接性能は平均以上だ。
  • 鏡筒の大部分はプラスチック製なので、重さはこのズーム域のレンズとしては軽量だが、造りはハイクオリティで、緩みやガタつきは見られない。距離目盛りや被写界深度目盛りは無い。
  • ズームリングの回転角は90度で、弱い力でスムーズに回転する。望遠端ではレンズは伸び、1と3/4インチほど繰り出す。テスト中にズームの自重落下は見られなかったが、ズームのロックスイッチが用意されている。
  • フォーカスリングはモーターによる駆動で、機械的に内部と直接接続されていない。フォーカスリングは容易に回転するが、それでもMFに必要な十分な重さはある。フォーカスリングは、どちらの方向にも止まることなく回り続ける
  • 手ブレ補正は公称4段分だが、我々のテストでは3.5段分の効果で、それでもなお、とても良好な結果だ。
  • EF24-105mm F4L と比べると、倍率色収差ではF4Lが光っており、ずっと良好な性能だ。どちらのレンズも手ブレ補正が搭載されているが、動画ではSTMを搭載したEF24-105mm F3.5-5.6 STMの方がより静かでスムーズなフォーカスで実用的だろう。
  • EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM と比べると、EF24-105mm F3.5-5.6 STMの方が、ずっとシャープで、色収差が少なく、確実な改善が見られる。EF28-135mmはリタイアが近いと予想している。
  • シグマ24-105mm F4 DG OS HSM は、キヤノンF4Lのライバルだが、EF24-105mm F3.5-5.6 STMより2-3万円高いだけの価格で、EF24-105mm F4L と同等の性能が得られる。
  • EF24-105mm F3.5-5.6 STM は価格の割に良いレンズで、高速なAFと便利なズーム域、手ブレ補正の搭載で、写真や動画に興味を持った一般的な顧客に、十分に役目を果たすだろう。このレンズは、キットレンズとして28-135mmを置き換えるのに良いだろう(※海外ではEF28-135mmが一部のボディのキットレンズに設定されています)。

 

EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM は、F4Lをしのぐほどの性能ではないようですが、価格を考えれば十分以上の性能で、EF28-135mmの後継機と考えれば申し分の無い性能のレンズですね。

解像力チャートでは、開放時の周辺部が若干甘いようで、サンプルでも同じような印象ですが、絞ればシャープになるので大きな問題はなさそうです。