ソニーT* FE35mm F1.4 ZA は開放付近は甘いが素晴らしい画質

SLRGear に、ソニーの広角単焦点レンズ「Zeiss Distagon T* FE35mm F1.4 ZA」のレビューが掲載されています。

Sony FE 35mm f/1.4 ZA Zeiss Distagon T* SEL35F14Z (Tested)

  • このレンズはFE24-70mm F4よりも大きく、全長はキヤノンの16-35mm F2.8L II と同じくらいあり、重さはそれよりも若干重い。α7シリーズのボディとの組み合わせでは少しフロントヘビーだが、決して扱いにくくはない。
  • 鏡筒は金属製でしっかりとしている。ソニーは防塵防滴と主張しているが、これまでのFEレンズと同様にマウント部にゴムのシーリングは施されていない。
  • フルサイズの解像力は、開放では隅がかなり甘い。中央もそれほどシャープではないが、悪くはない。F2 に絞ると、特に中央は大きく改善するが、隅はまだいくらか甘さが見られる。しかし、更に絞ると隅の解像力は顕著に改善する。
  • APS-Cの解像力は、開放では隅はフルサイズほど甘くはない。中央は開放ではそれほどシャープではないが、絞れば中央も隅も大幅に改善する。
  • 倍率色収差は、フルサイズでもAPS-Cでも非常によく補正されている。しかし、フルサイズでは、開放時に一番隅の部分に色ズレが見られる。これは大口径の広角レンズではそれほど珍しいものではなく、絞り込めば改善される。
  • 周辺光量落ちは、自動補正OFFでは顕著で、フルサイズの開放で1.25EVを超える。絞れば改善するが、F5.6以上に絞っても0.5EV前後の周辺光量落ちは残っている。APS-Cでは、周辺光量落ちは開放で0.5EVでずっと少なくなり、F2.8以上に絞れば0.25EV未満になる。
  • 歪曲は+0.5%を余裕で下回る値で、素晴らしく良く補正されており、自動補正ONでもOFFでも同じ値だった。
  • AFはSSMのおかけで非常に速く、無限遠から最短までは余裕で1秒を下回る。AFの作動音は静かで、加えて、スイッチの切り替えで絞りリングのクリックを無くすことができるので、動画にも向いている。
  • フォーカスリングはバイワイヤ(モーターによる駆動)で、適切な重さがあり非常に滑らかに回転する。フォーカスリングは最短と無限遠で止まらず、どこまでも回転する。
  • 最短撮影距離は12インチを下回り、このような広角レンズとしてはかなり寄れる。マクロ用に設計されたレンズではないが、最大撮影倍率0.18倍で、そこそこのクローズアップ撮影も可能だ。
  • Aマウントの35mm F1.4G との比較では、35mm F1.4GはF2.8まで絞らないとそれほどシャープにならず、色収差もFE35mm F1.4よりもずっと大きい。
  • FE35mm F1.4 は、解像力は素晴らしいが、開放では特に隅に甘さが見られる。色収差や歪曲は非常に良く補正されているが、周辺光量落ちは開放では目立つ。全体として、鏡筒は非常にしっかりとした見事な造りで、素晴らしい画質のとても上等なレンズだ。

 

開放付近の解像力はそれほど高くはなく、ややソフトな描写ですが、ボケなどの味を重視しているレンズのようなので、あまりカリカリにせずに敢えてそのような味付けにしているのでしょうね。

とは言え、絞り込んた時は画面全域で高い解像力になるので、ボケを活かした撮影だけでなく、風景などの用途でも全く問題なく使用できそうです。