ニコンCOOLPIX P900 は換算2000mmで手持ち撮影が可能

ePHOTOzine に、83倍の光学ズームを搭載したニコンのズームコンパクト「COOLPIX P900」のレビューが掲載されています。

Nikon Coolpix P900 Review

  • P900は頑丈なプラスチック製のボディで、造りは良好に感じる。フロントグリップは大きく、背面のサムグリップも大型で、片手でもホールドできるが、このカメラは大きく重いので、両手でホールドすることを勧める。
  • レンズ鏡筒左側にはスライド式のズームボタンがあり、ズーミングとマニュアルフォーカスに使用できる。
  • レンズ前面には67mmのフィルター枠があり、フィルターが装着可能だ。残念ながらフードは付属しておらず、現在、オプションのフードも販売されていない。
  • 液晶モニタはタッチパネルではないが、視野角が広く、解像力も高くクリアだ。EVFはまずまずのサイズで、他のコンパクトカメラよりも大きいが、ミラーレスカメラで使われているものほど大型ではない。EVFには、アイセンサーが搭載されている。
  • バッテリーライフはCIPA規格で360枚で、これはとても良好だ。
  • シャッターレスポンスは0.05秒以下でとても速く、AFもカメラが迷わなければ非常に速い。撮影から次の撮影までの時間は1.1秒(フラッシュ無し)、連写は7コマ/秒でスローダウンするまでに7枚撮影可能だ。
  • サンプルでは、露出は信頼でき、色と彩度は良好だ。肌のトーンも良く、フラッシュを使用してのポートレートでは赤目は非常に少なかったが、若干フラッシュを弱く補正した方がよい結果をられるかもしれない。
  • レンズは広角端でも望遠端でも隅まで良好だが、画質は若干ソフトだ。太陽や明るいものが画面内にあると時折フレアが見られるが、全体的な画質は、ズーム域を考慮すればとても良好だ。歪曲は広角端では自動補正で良く補正されているが、ズーム使用時に時折目に付く。周辺光量落ちは広角端では目に付くが、実写では目立たない。パープルフリンジは非常によく抑えられている。
  • 素晴らしい効果の手ブレ補正のおかげで、望遠端でも手持ちでシャープな画像が撮影可能だ。
  • ベストのディテールと低ノイズのためには、ISO100とISO200の使用を勧める。ISO400ではノイズはまだとても少ないが、ディテールが失われ始める。暗い環境でISO400とISO800ではまだ良い結果が得られるが、ノイズは増えディテールは減少する。ISO1600とISO3200ではノイズが強くなり、可能なら使用を避けることを勧めるが、縮小してWebで使うなら実用になるかもしれない。ISO6400はノイズが盛大で、ディテールはごくわずかなので、避けるのがベストだ。
  • オートホワイトバランスは、白熱灯では良好で、白熱灯のプリセットも良好だ。雰囲気をより正確に表現するために暖色をキープする"Warm"のホワイトバランスも用意されている。蛍光灯ではオートホワイトバランスは良好で、プリセットはマゼンタに傾く。
  • 自動パノラマモードの結果は良好で、画像を上手くつなぎ合わせているが、生成される画像の解像度が低い(※サンプルは441.6万画素)。
  • P900の価格は499ポンドで、高倍率ズームカメラでは最も高価なものの1つだ。しかしながら、83倍光学ズームを搭載するのは、このカメラだけだ。
  • 動画の画質は良好だが、わずかでもカメラが動くと、画面がぐらついてしまうので、最善の結果を得るためには三脚の使用を強く勧める。
  • 83倍のレンズでも、シャープな写真が撮れなかったり三脚の携行が必須だと、たぶんあまり役にたたないが、P900では、極めて素晴らしい手ブレ補正のおかげで望遠端でさえ手持ちで撮影が可能だ。これだけの機能を持つブリッジカメラは他にほとんどなく、499ポンドの価格は理に適ったものだが、とは言え、少し高すぎるだろう。これまでにない光学ズームレンズで、24mmの広角から2000mmの望遠までなんでも撮影できるカメラが欲しい人にはP900を推薦する。
  • 良い点: 83倍の光学ズームレンズ、大きなゴム引きのグリップ、側面のズームスイッチ、効果的な手ブレ補正、月とバードウォッチングのシーンモード、HDRモード内蔵、良好なEVFとバリアングルモニタ、Wi-Fi・NCF接続、GPS内蔵、0cmマクロモード、電子水準器。
  • 悪い点: 大きく重い、RAWで撮影できない、パノラマ画像にもう少しディテールが欲しい、三脚ネジ穴の位置がよくない。

 

レンズは換算2000mmまでの83倍ズームなので、望遠端の写りはそれなりかなと思っていましたが、2000mmでも思いのほかしっかりとした描写で、十分実用的な画質という印象です。ただ、広角側は低倍率ズーム機と比べるとさすがに少し甘いような気がします。

画像からの動きベクトル情報を併用する新型VRは、換算2000mmでも本当に手持ち撮影ができるようで、P900は手軽超望遠撮影を楽しみたい人にはとても魅力的な存在になりそうですね。