ニコンAF-S 24mm f/1.8G は良好な性能だが画面の中間部に甘さが見られる

CAMERA LABS に、ニコンの広角単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G」のレビューが掲載されています。

Nikon AF-S 24mm f1.8G review

  • AF精度とAFを繰り返した時のピントの再現性はとても良好だ(98.5%)。AF速度は、無限遠から最短まで約0.4秒で非常に速い。AFの作動音は、ほとんど聞こえない。
  • フォーカスリングにはいくらか遊びがあり、動きのスムーズさはそこそこだ。加えてフォーカスリングの回転角が75度と小さいので、開放付近でのピント合わせは難しい。
  • 軸上色収差は、ピントの手前側に明確なマゼンタの色が付き、後側にグリーンの色が付く。これは実写でも見られるが、F5.6まで絞るとほとんど解消する。このテストでは、いくらかフォーカスシフト(絞った時のピントの移動)が見られた。
  • 解像力チャートでは、中央は開放からとても良好な性能で、フルサイズの隅も若干コントラストが低いが細部のディテールの解像は良好だ。ウィークポイントはDXの隅で、この部分は明らかに甘く、F4まで絞らないと大きくは改善しない。F11以上に絞ると回折の影響が見られる。
  • 歪曲は、このような広角レンズとしては極めて良く補正されている。
  • シグマ24mm F1.4 Art とニコン24mm f/1.4G の2本との絞りF2での比較では、中央はF1.4の2本が24mm f/1.8Gよりもよりシャキっとしており、DXの隅はニコンの24mm f/1.4Gが最も良い。FXの隅は24mm f/1.8Gが若干リードしており、僅差でシグマ24mm F1.4 Art とニコン24mm f/1.4Gがそれを追っている。
  • タムロン15-30mm F2.8 VC との絞りF2.8での比較では、タムロンが驚くほど良好な性能だ。中央はタムロンがニコン24mm f/1.8 と同じくらいシャープで、色収差も見られない。DXの隅はタムロンがずっと良好で、FXの隅は両者が非常に近い結果だ。
  • ニコン24-70mm f/2.8E VR との絞りF2.8での比較では、中央は24mm f/1.8Gの方が良好で、DXの隅は24-70mm f/2.8Eの方が良好だが、FXの隅は24-70mm f/2.8Eは甘く24mm f/1.8Gの方が良好だ。
  • 屋外の遠距離の実写テストでは、中央は開放から良好だが、DXの隅はソフトだ。FXの隅は良好だが若干霞がかっている。F2.8に絞ると中央は非常に良好になり、隅は周辺光量落ちが目に見えて改善する。DXの隅を良好な描写にするには、F5.6以上に絞る必要がある。
  • 夜景ではFXの隅の部分でコマ収差が見られるが、F5.6以上に絞ると解消する。
  • 玉ボケはムラの無い完璧な円形で、同心円上のボケも見られない。前ボケは良好だが、後ボケはいくらか輪郭が付き、うるさく見える。
  • 逆光耐性はとても良好で、開放ではフレアやゴーストはほとんど見られない。絞り込んでもほとんど見られないが、強い光源が画面内にあるケースでは、カラフルなフレアとゴーストが見られた。
  • 24mm f/1.8Gはとても良好な性能だが、唯一、DXの隅の部分だけはいくらか残念だ。このレンズは比較的小型軽量だが、ライバルは強力で、シグマ24mm F1.4 Art はより明るく画質も良く、頑丈な作りで価格も同程度(地域によってはシグマが若干高い)で、コストパフォーマンスに優れている。そしてハイエンドのズームも画質でニコン24mm f/1.8Gを脅かしているが、しかしそれでもなお、このレンズは推薦に値する。
  • 良い点: 中央とFXの隅のシャープさ、防塵防滴、静かで高速で信頼できるAF。
  • 悪い点: DXの隅が弱い、コマ収差でFX隅のコントラストが低くなっている、開放時の軸上色収差、ボケが最高ではない。

 

このレンズは、画面の中央は開放から非常にシャープですが、開放付近ではDXの周辺部がFXの周辺部よりも甘いのが気になるところです。像面が少し波打っているのでしょうか。とは言え、絞ればカリカリっとした描写になるので、風景をシャープに撮りたい場合でも問題はなさそうです。

ボケは今一つの評価のようですが、サンプルを見る限りでは、広角レンズとしては良好な部類に入るように感じます。