キヤノンEF-M 11-22mm F4-5.6 STM IS は解像力は素晴らしいが周辺光量落ちが非常に目立つ

photozone に、EOS M 用の広角ズーム「EF-M 11-22mm F4-5.6 STM IS」のレビューが掲載されています。

Canon EF-M 11-22mm f/4-5.6 STM IS - Review / Test Report

  • EF-M11-22mm は非常に小さなレンズで、APS-C用と言うよりもm4/3用のレンズを思い起こさせるサイズだ。沈胴式なので収納時は小さいが、使用時には内側の鏡筒が少し繰り出す。
  • 外側の鏡筒は金属製で、造りはとても素晴らしい。操作系(ズームリングとフォーカスリング)はスムーズに動く。内側の鏡筒はプラスチック製だが、ガタつきは全く見られない。
  • AFはステッピングモーター(STM)で、ノイズレスでとても速い。マニュアルフォーカスはバイワイヤ(モーターによる駆動)で、非常に正確に動く。
  • このレンズは明るいレンズではないが、手ブレ補正がある程度これを補っている。手ブレ補正の効果は公称3段分で、我々もこの通りの効果だと感じた。
  • 歪曲は、広角端では3.1%の強いタル型だ。15mmでは1%のタル型で大幅に改善し、22mmでは歪曲は見られない。多くのミラーレス用のレンズは、歪曲の補正を自動補正に頼っているが、幸いなことにキヤノンはより保守的なアプローチをとっている。
  • 周辺光量落ちは11mm F4で2.9EVのショッキングな値で、これまでに見たAPS-C用のレンズでは最も悪い。F8に絞ると1EV程度の望ましい値になる。15mmでも周辺光量落ちは非常に悪い(開放で2.02EV)が、F8以上に絞れば問題はなくなる。22mmでは周辺光量落ちは改善する(開放で1.22EV)。周辺光量は周辺部に向かってなだらかに落ちるので、隅で光量が突然落ちるタイプのレンズよりも目立たない。
  • 解像力は素晴らしく、中央は全ての絞り値・ズーム域で素晴らしい値(excellent)で、周辺部もとても良好な値(very good)だ。隅は11mmでもきちんとした値を維持しているが、我々が測定している部分よりも更に外側の部分で解像力の低下が見られる。このレンズのスイートスポットはズームの中間域で、ここでは隅も実にシャープだ。22mmでは若干の解像力の低下が見られるが、優れた画質を維持している。F11以上では、回折の影響で解像力が低下する。
  • 倍率色収差は、周辺部で平均1ピクセル前後でとても穏やかだが、11mmでは隅で1ピクセルをかなり超えている(開放で1.07ピクセル)。
  • このレンズの解像力は11mmの一番隅の部分を除けば概ねとても良好で、歪曲と色収差はこのクラスのレンズとしては平均的だ。大きな弱点は周辺光量落ちで、開放では芳しくなく、多くの人が自動補正を使いたくなるだろう。鏡筒の作りは非常に良好だ。驚きなのは価格で、超広角レンズは高価になる傾向があるが、このレンズは400ドルでそれは当てはまらない。

 

光学性能は5点満点中3点で、このクラスのレンズとしては良好な評価となっています。このレンズは非常にコンパクトな超広角ズームにもかかわらず、解像力はズーム全域で高く、開放からほとんど落ち込みが見られないのは素晴らしいですね。ウィークポイントは周辺光量落ちで、広角側では開放はもちろん1段絞ってもかなり目立ちそうです。