パナソニックが有機薄膜CMOSセンサーを開発発表

パナソニックが、従来の100倍のダイナミックレンジを実現する有機薄膜CMOSセンサーの開発を発表しました。

パナソニック、有機薄膜CMOSイメージセンサーを開発発表 (デジカメWatch)

  • パナソニック株式会社は2月3日、有機薄膜を用いたCMOSイメージセンサーに関する技術発表を行った。グローバルシャッターや広ダイナミックレンジ技術を開発。監視・車載用カメラ、業務放送用カメラ、産業検査用カメラ、デジタルカメラなどの用途に提案する。
  • 薄膜化によるメリットのひとつが、光線入射角の広角化だ。従来型で30~40度のところを60度まで広げられるので、斜めからの光を効率よく取り込めるようになる。
  • 受光面積は画素の全面に広がっており、センサー面上で受ける光をすべて受光できるとする。これにより、従来比1.2倍の感度を実現。
  • 1画素内に、2つの感度、感度の違う2つの信号電荷蓄積量、2種類のノイズキャンセル構造を実装することで、1回の撮像で従来のイメージセンサー比100倍のダイナミックレンジ128dBを実現。
  • パナソニックが開発した「光電変換制御シャッタ技術」は、有機薄膜に印加する電圧を調整することで、シャッター機能を実現する。「高飽和画素技術」と組み合わせることで、従来のグローバルシャッター付きCMOSイメージセンサーの約10倍の飽和信号量を実現する。

 

パナソニックが開発発表した有機薄膜CMOSセンサーは、従来比でダイナミックレンジが約100倍もあるということなので、製品化されればデジカメの世界が大きく変わることになるかもしれませんね。また、入射角の制限がかなり緩和されるので、レンズの小型化も期待できそうです。

また、従来のグローバルシャッターは、ローリングシャッターに比べて画質が劣化するのが問題でしたが、新開発のグローバルシャッターではこの問題もクリアしているようですね。

なお、日経新聞によると、有機薄膜CMOSセンサーの実用化は「早ければ2020年前後」ということなので、まだまだ先(GH7あたり?)のことになりそうです。