オリンパス「ED30mm F3.5 Macro」は良好な解像力だが逆光耐性が問題

LensTipに、オリンパスの標準マクロレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED30mm F3.5 Macro」のレビューが掲載されています。

Olympus M.Zuiko Digital ED 30 mm f/3.5 Macro

  • フォーカスリングは適切な重さがあり、滑らかに回転する。フォーカスリングの回転角はリングを回す速さによって変わる。
  • 中央の解像力は、開放で65lpmmの非常に高い解像力(良像の基準値は44-45lpmm)で、F5.6では72lpmmを超える。これは非常に素晴らしい性能と言えるが、それでもまだ、m4/3用の他のマクロレンズ(オリンパス60mm F2.8EDやパナソニック45mm F2.8は80lpmmをわずかに超えており、パナソニック30mm F2.8 OISは76lpmmに達している)よりも低い値だ。
  • 隅の解像力は、開放から良好だが、良好以上のものではない。それでもなお、51lpmmに達しており、実用的な画質が得られている。オリンパス30mm F3.5と比べて、オリンパス60mm F2.8やパナソニック30mm F2.8の隅の解像力は若干良好だが、パナソニック45mm F2.8の隅の解像力は、オリンパス30mm F3.5に劣っている。
  • 軸上色収差は、開放ではわずかに影響が見られるが、大きな問題はない。
  • 倍率色収差は、0.07-0.08%で、「中程度」に近い値ではあるが、まだ「低い」値に収まっていて、心配は無い。パナソニック30mm F2.8も同等の性能だ。
  • フォーカスシフトは全く見られなかった。
  • 歪曲はJPEGでは全く見られず、RAWでは-0.13%のタル型で、これはRAWで+1.09%の糸巻き型だったパナソニック30mm F2.8よりずっと良好だ。
  • コマ収差の補正は完璧ではなく、開放では目立ち、1段絞ってもまだ目に付く。このカテゴリでは、パナソニック30mm F2.8よりもずっと悪い。
  • 非点収差は、4.8%で平均的だ。この結果はパナソニック30mm F2.8よりも若干良好だ。
  • 周辺光量落ちは、開放でJPEGでは29%(-0.98EV)で、RAWではそれより1%高い値(-1.03EV)になる。F5.6まで絞ると、周辺光量落ちは解消する。
  • 逆光耐性は最大の問題で、強い青色のゴーストが発生し、絞るとそれがより明瞭で強烈になる。太陽を画面外に出せば、フレアやゴーストは現れず、コントラストも維持される。
  • AFは静かでとても速い。AF精度はスタジオ内のテストでは一度のミスもなく極上だ。前ピンや後ピンの傾向も全く見られなかった。
  • オリンパスのED30mm F3.5とパナソニックの30mm F2.8 は、どちらも、とても良好な解像力で、良いライバルだ。パナソニックの方がわずかに解像力が高く、絞ると収差がより素早く改善するが、オリンパスは、最大撮影倍率が等倍より高い(1.25倍)のが他には無い特徴だ。
  • 良い点:素晴らしい最大撮影場率、中央の非常に良好な画質、隅の良好な画質、軸上色収差が穏やか、倍率色収差が少ない、歪曲がほとんどゼロ、非点収差が穏やか、周辺光量落ちの問題が無い、静かで非常に速く正確なAF。
  • 悪い点:コマ収差が大きい。

 

オリンパスの30mm F3.5マクロは、開放から十分実用的な解像力で、価格を考えるとなかなか優秀なレンズという印象です。最大撮影倍率が1.25倍(換算2.5倍)と高いのも、用途が広がりそうです。

弱点は、他のレビューでも指摘されていた逆光耐性で、画面に太陽を入れるとブルーの大きく強いゴーストが出るようなので、逆光時には少し注意が必要かもしれません。