ソニーFE85mm F1.8はズバ抜けた解像力とボケを両立したレンズ

OpticaLimits(旧称Photozone)に、ソニーのEマウント用の中望遠単焦点レンズ「FE85mm F1.8(SEL85F18)」のレビューが掲載されています。

Sony FE 85mm f/1.8 ( SEL85F18 ) - Review / Test Report

  • 85mm F1.8は、ほどほどの明るさでコンパクトだが、一眼レフ用の同クラスのレンズよりも小さく軽いわけではない。
  • 鏡筒は総金属製で、造りの素晴らしさには驚いた。
  • フォーカスリングは滑らかに動き、フォーカシングでレンズの全長は変わらない。フォーカシングはバイワイヤ(モーター駆動)で、精度は良好だ。
  • 疑問に思ったのが、このレンズの画角がBatis 1.8/85より広いことで、ツァイスの焦点距離が長いのか、ソニーの焦点距離が短いのかどちらかだろう。とは言うものの、これは実写では大した問題ではない。
  • AFは静かで速く、とても滑らかに動くので動画にも向いている。
  • 歪曲はRAWで0.6%の糸巻き型で、非常に良く補正されている。自動補正使用時には、歪曲は無視できる大きさ(0.166%)になる。
  • 周辺光量落ちは、RAWでは開放で2.21EVで明確に目につく。F2.2まで絞ると1.46EVになりかなり改善するが、F2.8まで絞らないと1EVを下回らない。自動補正を使うと、開放で0.9EVで完全に許容範囲内だ。このレンズの周辺光量落ちは素晴らしくはないが、Batis 1.8/85よりは良好だ。
  • 解像力は開放からすでに非常に高く、絞ってもそれほど改善しない。このレンズは極めてシャープで、解像力の点ではBatis 1.8/85と張り合っている。回折の影響が現れるのは遅すぎて、あたかも絞りが正確に動いていないように見える。周辺光量落ちのテストで露出オーバーになったが、これが原因なのかもしれない。

sony18_85_mtf_001.jpg

  • テストした個体の偏芯は少なかった。像面の湾曲は非常に小さい。
  • 倍率色収差は、周辺部で開放で平均0.7ピクセル、F11では1.2ピクセルで、通常は問題ないだろう。
  • 玉ボケは、輪郭線が薄く円の内側が非常に滑らかで、美しい描写だ。玉ボケの円形はF2.8でも保たれている。通常のボケは、前ボケよりも後ボケの方が若干滑らかさで、従来型のレンズとしてはほとんどパーフェクトだ。
  • 軸上色収差は、開放付近ではとても目に付き、F4でもわずかに残っている。また、軸上色収差のテスト画像からは、絞りでピント位置が動いていない(フォーカスシフトが見られない)ことが確認できる。
  • ツァイスBatis 1.8/85と比較すると、解像力は互角で、他のいくつかの項目ではソニーが優っている。Batisには手ブレ補正が内蔵されているが、ソニーのボディの多くがボディ内手ブレ補正を搭載している。正直、このレンズからBatisへのアップグレードはあまり考えられないだろう。
  • ソニーFE85mm F1.8 は、スバ抜けた解像力と滑らかなボケを両立したレンズで、これは、とても珍しいことだ。ウィークポイントは軸上色収差と、周辺光量落ちが大きいこと、そして非常に近距離の撮影で画質が低下することだ。鏡筒は、コンシューマー向けのレンズとしては、驚くほどハイクオリティで価格もとても手頃だ。大口径の85mm F1.4が必要なければ、このレンズを大いに推薦する。

 

光学性能の評価は4.5点~5点(5点満点中)で、このクラスのレンズとしては異例の極めて高い評価となっています。ずっと高価なBatis 1.8/85と比べても解像力は互角で、ボケや歪曲、周辺光量落ちはFE85mm F1.8の方が良好とのことなので、このレンズのコストパフォーマンスは抜群ですね。