富士フイルムX-T3は低感度の画質は改善されているが高感度ノイズは増えている

DPReview に、スタジオサンプルを元にした富士フイルムX-T3の画質に関するレビューが掲載されています。

Fujifilm X-T3 First Impressions Review

  • X-T3の画質は低感度では素晴らしく見える。最低感度が若干引き下げられたことで、旧型に比べて小幅だが測定可能な改善が見られる。
  • RAWのディテールは旧型と比較して良好だが、モアレの兆候は見られない(これは斜めのギザギザが全く見られないという意味ではない)。
  • X-Transセンサーは高周波が若干弱く、赤と青の色情報の均一性で劣っているが、全体的なノイズに関してはライバルといい勝負だ。
  • JPEGの色再現は、デフォルトの標準設定であっても富士フイルムの常で高水準だ。デフォルトのシャープネスもちょうど良いバランスで、ノイズリダクションもノイズとディテールとのバランスに優れている。
  • X-T3とX-T2の高感度の比較では、差が顕著に現れて驚いた。読み出しノイズの計測では、両者の違いは1/3段程度だったが、ACRで現像した画像では視覚的に1段分違うように見える。Adobeと話をした際にACRの暗部の処理に変更を加えたと述べていたが、変更後のACRでX-T2のRAWを現像してみても高感度ノイズの差を説明できるような結果は得られなかった。
  • Capture Oneによる現像では、X-T3の方がX-T2よりもノイズが多いが、ACRによる現像ほど劇的な違いはない。しかし、それでもまだ違いはある。最高感度では、X-T3の画像をX-T2と同じサイズに縮小した場合でさえ、X-T3の方がノイズは多い。
  • X-T3の方がノイズが多い理由は、読み出し性能を高めるために電子部品をより高速で動かしているからだと考えている。最高感度では、わずかな読み出しノイズであっても何度も何度も増幅される。若干の高感度性能の低下は、高速化の代償だろう。このトレードオフが理にかなっているかどうかは、ユーザーのISO25600やISO51200の使用頻度による。

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X-T3は低感度ではX-T2よりもディテールが豊富で高画質という印象ですが、ISO12800以上の超高感度域ではノイズが多くなり、X-T2の方が画質で優っているようです。とは言え、ISO6400程度の感度ではX-T2とほとんどノイズの差はないので、多くの人にとってはX-T3の低感度のアドバンテージの方が大きいかもしれませんね。