ニコンZ35mm f/1.8S・35mm f/1.8G・35mm f/1.4G・シグマ35mm F1.4 Artの比較レビュー

Mirrorless Comparisonに、ニコンとシグマの合計4本の35mmレンズの比較レビューが掲載されています。

Nikkor Z 35mm 1.8S vs 35mm 1.8G vs 35mm 1.4G vs Sigma 35mm 1.4 Art

  • 鏡筒は、シグマ35mm F1.4 Artは総金属製、Z35mm f/1.8Sは金属とプラスチックのミックス、その他の2本(Fマウント用の35mm f/1.8Gと35mm f/1.4G)は主にプラスチック製で、いずれのレンズも造りはハイクオリティだ。
  • 遠距離の解像力は、開放時の画面中央では、f/1.8Gが明らかに4本の中で一番甘い。その他の3本はとてもよく似ているように見える(画像の若干のコントラストの違いは天候の状況によるものだ)。F1.8とF2の比較では、シグマとニコンf/1.4Gのシャープさが増すが、全体としてはZが最もシャープだ。F2.8では4本ともずっとシャープになり、それ以上の絞りでは4本の差は無い。中央の解像力は、Zが明らかに有利だとは言えない。
  • 遠距離の隅の解像力は、開放ではZが他の3本の比べると、驚くほどシャープで、次はニコンのf/1.4G、3番目がシグマで最後がニコンf/1.8Gだ。F2.8に絞った場合でもZは他の3本に優っており、F5.6に絞らないと4本の画質は同等にならない。

nikonZ35f18S_35f14G_35f18G_sigma35f14art_comp001.jpg

  • 約2メートルの近距離の解像力(中央から少し外れた場所)は、ここでも開放ではf/1.8Gが最も甘く、その他の2本(シグマとニコンf/1.4G)よりもZが若干シャープだ。F2.8に絞ると、4本の差はほとんどなくなる。
  • 最大撮影倍率はf/1.8Gが最も高く、その他の3本は同程度だ。一眼レフ用の3本はフォーカスブリージング(フォーカシングで画角が変化する現象)がいくらか見られたが、Zではブリージングは、ほとんど見られなかった。
  • ボケは、開放では、f/1.8Gは玉ボケの色収差が非常に目立ちとてもうるさく、4本の中で最も不満だ。Zはいくらかうるささはあるが、色収差はずっと少ない。その他のF1.4の2本(シグマとニコンf/1.4G)は、明らかに滑らかでより大きくボケる。この4本の中では、ニコンのf/1.4Gのボケは極めて滑らかで色収差が無く、最も満足のいくものだ。2番手はシグマだが、f/1.4Gほどの滑らかではない。Zのボケはまずまずだが、いくらかうるさい。f/1.8Gのボケは、あまり感心しなかった。

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  • 逆光では、4本とも若干のフレアとゴーストが見られる。
  • 倍率色収差は、4本のレンズ全てが開放では中央でも隅でも目立つが、F4以上では完全に解消する。
  • AFは明らかにZが最も速く、そして静かだ。他の3本の一眼レフ用レンズもAFはとても速いが、作動音がより大きく、特にシグマとニコンf/1.4Gは作動音が大きい。動画のC-AFでもZが最も速く静かだ。
  • フォーカスリングは一眼レフ用の3本のレンズは機械式だが、Zはフォーカスバイワイヤ(モーター駆動)で、Zのフォーカスリングがより滑らかだ。
  • ニコンはZシステムの発表時に、新世代レンズ群の優れた性能を強調したが、Z35mm f/1.8Sは、がっかりはしなかったもののそれほど印象的でもなかった。開放の隅はZが他のレンズよりもシャープだが、それが特に重要でなければ、差し当たってFTZで一眼レフ用の35mmを使い続ける方が賢明かもしれない。

 

レビュワーはZ35mm f/1.8 S にそれほど感銘を受けなかったようですが、サンプルを見る限りでは、Zは他の3本の比べて開放付近の解像力のアドバンテージは明らかという印象です。

ボケに関しては、Z35mm f/1.8Sはシグマ35mm F1.4 Artとニコン35mm f/1.4Gの2本に比べると少し硬い感じですが、35mm f/1.8Gよりは綺麗で、F1.8のレンズとしては良好という印象です。