シグマ「16mm F1.4 DC DN Contemporary」は画質は良好だがフォーカス機構の出来が悪い

OpticalLimits に、シグマのAPS-Cミラーレス用の大口径広角単焦点レンズ「16mm F1.4 DC DN Contemporary」のレビューが掲載されています。

Sigma 16mm f/1.4 DC DN Contemporary (Sony E-mount) - Review / Test Report

  • シグマは小型化を妥協して性能を取る傾向があるが、このレンズも小さなレンズではない。コンテンポラリーシリーズのレンズだが、鏡筒は金属製で、造りに安っぽさは無い。
  • フォーカスリングは極めて滑らかに回転するが、リングの幅が広すぎて、レンズ着脱の際に持つところに困る。フォーカシングでレンズの全長は変わらない。
  • AFはとても速く、作動音はほとんどしない。MFはフォーカスバイワイヤ(モーター駆動)で、ピントの動くステップが荒すぎるため、近距離~中距離のピント合わせは苦痛だ。このフォーカス機構は、これまでテストしたミラーレスレンズの中で最悪の出来だ。従って、残念だがAFを使用するべきだろう。
  • 歪曲は自動補正使用時は0.2%を下回っており、ほとんど気付かない。未補正の状態では2.8%のかなり強いタル型で、それほど素晴らしくはない。
  • 周辺光量落ちは自動補正有効時は開放で0.7EVでわずかだが、未補正では、前玉が大きいにもかかわらず、開放で1.8EVを超え、APS-Cレンズとしてはかなり大きな値だ。F2に絞ればかなり改善し、F2.8でほぼ解消する。
  • 解像力は絞りによる変化が大きい。中央はF1.4で既にとても良好な値だが、隅はかなり落ち込む。F2に絞ると改善し、中央は素晴らしい値になり、隅は良好な値になる。F2.8では隅も完全に回復し、全域で非常にシャープになる。像面の湾曲は少ない。

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  • 倍率色収差はピークのF1.4で0.5ピクセルを下回っており、非常に少ない。中程度まで絞ると、倍率色収差はほぼゼロになる。
  • 玉ボケは広角レンズではうるさくなる傾向があるが、このレンズの玉ボケは、内部が非常に滑らかでこのクラスではベストだ。口径食が少なく、F1.4でも周辺部で円形に近い形が維持されているのは素晴らしい。後ボケは滑らかだが、コントラストが少し低い。前ボケはにじみが見られ、かなりうるさい。
  • このレンズの性能はかなり優れているが、いくつかの弱点もある。開放では中央は非常にシャープだが周辺部の画質は落ち込むので、天体写真向きではないだろう。ボケは良い部分と悪い部分があり、玉ボケは非常に素晴らしいが、通常のボケはうるさい。鏡筒の造りはとても良好だ。MFの動きが荒すぎてMFは近距離では使えないが、AFは高速だ。このレンズは完璧ではないが、非常に安い価格設定を考えれば、とても価値のある製品だ。

 

光学性能の評価は5点満点中3点で、このクラスのレンズとしてはまずまず良好な評価となっています。このレンズは開放では周辺部が甘いようですが、少し絞れば十分にシャープになるので、実写ではあまり問題なさそうです。

あと、MFが酷評されているのが少々気になるところで、MFを多用する方は、店頭で一度、操作感を試してみた方がよさそうですね。