オリンパス「17mm F1.2 PRO」はボケがとても素晴らしいレンズ

OpticalLimits に、オリンパスの大口径広角単焦点レンズ「17mm F1.2 PRO」のレビューが掲載されています。

Olympus M.Zuiko 17mm f/1.2 PRO - Review / Test Report

  • 鏡筒は総金属製で、造りの品質は素晴らしい。フォーカシングで鏡筒の長さは変わらない。
  • AFは非常に速く、静かで正確だ。フォーカスクラッチによるMFとAFの切換えは、切替時にピント位置を保持できないので、我々は好みではない。しかしながら、通常のフォーカスバイワイヤシステムと異なり、距離目盛りと被写界深度目盛りが採用されている。
  • 歪曲は自動補正され、ほとんど目に付かない(-0.238%のタル型)。未補正の状態では-3.41%のかなり強いタル型だが、度を超えた歪みではない。
  • 周辺光量落ちは、未補正の状態では開放で1.22EVの大きい値だ。F2に絞ると0.76EVに大きく改善し、F2.8以上ではわずかになる。自動補正使用時は開放で0.7EVだ。フルサイズ用レンズと比べれば、周辺光量落ちは開放のF1.2でさえ無いに等しい。
  • 解像力は45mm F1.2 PROと同レベルではなく、中央は開放からシャープだが、周辺部と隅は「良い」~「とても良い」のレベルにしかならない。これは(45mm F1.2と比べなければ)開放時の値としては褒めめるに足る値だ。絞ると中央はF1.6で素晴らしい値になり、F2で更に切れ味鋭くなるが、周辺部は若干の改善しかみられない。

oly_17mmf12pro_mtf_001.jpg

  • 像面の湾曲は小さい。
  • 倍率色収差は、画面の周辺部で平均で0.4ピクセル前後で良く補正されている。
  • 玉ボケは周辺部が柔らかく溶け込んでいき、内部も非常に滑らかだ。周辺部では口径食が見られるが、それでもボケは心地よいものだ。前ボケと後ボケも絹のように滑らかだ。
  • ライバルのシグマ16mm F1.4との比較では、シグマはAF精度が弱く、ボケもオリンパスほど素晴らしくない。開放での性能もシグマは弱いが、絞れば解像力はオリンパスと同等になる。
  • 17mm F1.2 PROの性能は、45mm F1.2 PROには及ばないが、悪いレンズというわけではない。解像力に弱点はないが、絞り込んでも周辺部の解像度が上がらず、中央と周辺部の差が大きい。このレンズの目玉は、非常に滑らかなボケで、これは広角レンズとしてはとても素晴らしいものだ。
  • 17mm F1.2はかなり高価なレンズで、明るさとボケ味優先なら、最有力候補だが、解像力が目的ならもっと安価で同程度の性能のレンズはある。

 

光学性能の評価は3.5点(満点は5点)で、このクラスの単焦点としては普通の評価になっています。

このレンズの解像力は、中央は抜群に高いですが、周辺部と隅は開放から実用的には十分ではあるものの、目立って高い値ではないようです。ボケは非常に綺麗で、広角で玉ボケがこれだけ綺麗なレンズも珍しいですね。