キヤノンのコンパクト用(?)の50mm F1.2 / F1.6 と35mm F1.4の特許

Canon News で、バックフォーカスがほとんどゼロのキヤノンのフルサイズ用の大口径の50mm/35mm レンズの特許が紹介されています。

Some Bizarre Full Frame Compact Camera Lenses

  • この特許出願(特開2020-118846)は、ほとんど不可能なバックフォーカスを持つ、普通ではない仕様のレンズを示している。

    EFレンズのバックフォーカスは、通常44mm前後、RFレンズでは通常18mm前後だ。しかし、この特許出願のレンズは0mmから2mmで、そうバックフォーカスがないのだ。これは、実際には後玉がセンサーと一体化されていることを意味する。かなり奇妙だ。

    このようなレンズ設計は、レンズがセンサーの非常に近くにあるコンパクトカメラでは、上手くいくかもしれないと考えている。この実施例は全てフルサイズ用レンズなので、フルサイズのコンパクトカメラ用かもしれない。


    Full Frame 50mm F1.2
    焦点距離:51.50 
    F値:1.24 
    半画角:22.79 
    像高:21.64 
    全長(全玉からセンサーまで):78.83 
    バックフォーカス:0.50 

    Full Frame 50mm F1.6
    焦点距離:49.17 
    F値:1.65 
    半画角:23.75 
    像高:21.64 
    全長(全玉からセンサーまで):72.35 
    バックフォーカス:2.35

    Full Frame 50mm F1.2
    焦点距離:51.50 
    F値: 1.24 
    半画角:.79 
    像高:21.64 
    全長(全玉からセンサーまで):78.00 
    バックフォーカス:1.00

    Full Frame 35mm F1.4
    焦点距離:36.00 
    F値:1.45 
    半画角:31.00 
    像高:21.64 
    全長(全玉からセンサーまで):106.48 
    バックフォーカス:0.00

canon_patent_2020-118846_001.jpg

実施例のレンズはバックフォーカスが0mm~2.35mmで、レンズ交換式で使用するのは不可能なので、レンズ一体型のコンパクトカメラ用か、監視カメラなどの業務用カメラ用のレンズでしょうか。

大元の特許出願には、課題として「サジタルコマフレアと像面湾曲等の諸収差を良好に補正した高い光学性能を有する小型の撮像光学系およびそれを有する撮像装置を提供すること」と記載されているので、小さくて高性能な大口径レンズを造ろうとしているようですね。

もし、これらのレンズを搭載したコンパクトカメラが登場したら、大いに話題になりそうです。