ソニー「FE200-600mm F5.6-6.3 G OSS」は非常にコストパフォーマンスに優れたレンズ

OpticalLimits に、ソニーの超望遠ズーム「FE200-600mm F5.6-6.3 G OSS」のレビューが掲載されています。

Sony FE 200-600mm f/5.6-6.3 G OSS - Review

  • このレンズは、他の多くの超望遠ズームと異なり、ズームでレンズが繰り出さないので、ホコリを吸い込まず、防塵・防滴性にも優れている。
  • 600mmのズームレンズなのでサイズは小さくはなく、重さも2.2キロを超えるが、それでもまずまずコンパクトだ。
  • 脚部が取り外し可能の三脚座を備えており、これはアルカスイス互換ではないが、必要ならサードパーティー製のものが利用できる。

  • ズームリングはインナーズームなので、繰り出し式のズームを伸ばす時のような抵抗が少なく快適だ。フォーカスリングも非常に滑らかだ。
  • AFは、テスト機のα7R II でもまずまずの速さだが、α9シリーズなら間違いなくもっと速いだろう。
  • 手ブレ補正は、メーカーは補正効果を公表していないようだが、テストでは4段分を効果を確認した。これは、このような超望遠レンズとしてはとても優れている。

  • 歪曲は、自動補正OFFではズーム全域で一貫して1.5%前後の糸巻き型で、これはやや珍しい(通常は広角側でタル型、望遠で糸巻き型になるレンズが多い)。自動補正をONにすると歪曲は、完全(ほぼ0%)に補正される。
  • 周辺光量落ちは、自動補正OFFでは、広角端から中間域で1.1EV、望遠端で1.5EVで1段絞れば解消する。これは超望遠ズームでは標準的だ。

  • このレンズの解像力はとても素晴らしい。200mmと400mmでは中央の解像力は開放から見事で、周辺部もとても良好だ。600mmでは少々状況が異なり、中央は素晴らしい解像力だが、周辺部の解像力は低下し、絞ってもそれほど改善しない。また、像面の湾曲は小さい。

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  • 倍率色収差は、ピークの200mm開放時に2.1ピクセルで、やや目立つが、その他の焦点距離や絞り値では1.5ピクセル前後で、それほど高い値ではない。倍率色収差は容易に自動補正できるので、それほど悩ましいものではない。
  • 玉ボケは完璧ではなく縁取りが見られるが、それほど強くはない。玉ボケの内部は若干不均一だが、F8やF11に絞っても円形が維持されている。口径食は周辺部でもそれほど目立たない。後ボケと前ボケは、どちらも非常に滑らかだ。

  • ソニーFE200-600mm F5.6-6.3 G OSS は完璧ではないが、このレンズのためだけにソニーのシステムを導入する理由になるかもしれないレンズだ。広角端から中間域までは非常にシャープで、望遠端は周辺部の画質が低下するものの中央は高画質のままで、多くの人は画質の低下に気付かないだろう(ただし、天体用としては限界がある)。

  • よい意味で意外だったのがボケの良さで、ボケはこのクラスの多くのレンズよりも優れている(ただし、単焦点には及ばない)。また、このクラスではインナーズームは異例で、これは空気が出入りしない(ホコリが入らない)ことと、ズームが滑らかになるメリットがある。
  • 全体的な品質と、非常に手頃な価格を考えると「大いに推薦!」という結論しかあり得ない。

 

光学性能の評価は5点満点中3.5点で、高価な単焦点レンズのような高い評価ではありませんが、コストパフォーマンスの評価は5点満点で、価格を考慮した評価は非常に高くなっています。

このレンズはメーカー純正の超望遠ズームとしては、リーズナブルな価格設定ですが、十分以上の性能で、鏡筒の質感も高く、とてもお買い得感の高いレンズという印象です。