JIPはオリンパスのデジカメ再生に自信

東洋経済オンラインに、オリンパス映像事業買収後のJIPの戦略に関する記事が掲載されています。

オリンパス、「カメラ事業」の復活に必要な条件

  • JIPの稲垣伸一マネージングディレクターは、オリンパスのデジカメ再生に自信を見せる。「過去30件投資をする中で破綻したケースはない。業界ではなぜ苦境にある映像事業に投資するのかという声はあるかもしれない。しかし、世の中がそう思っているからこそ、気がついていない強みがあると思う」と断言する。

  • VAIOの場合は、ソニーという大企業の中では個別事業にまでリソースが十分に割かれないという状況があった。オリンパスのデジカメ再生もこの経験を生かす方針だ。「オリンパス」ブランドは当面維持し、販売済み製品のメンテナンスも続行する。

  • オリンパスではこれまで内視鏡など医療機器事業を本業にして注力しようという方針があったため、デジカメを含む映像事業には戦略的な投資が十分に行われてこなかった。

  • オリンパスのデジカメの特徴は何か。稲垣氏は「小型・軽量、手ブレ補正の性能の高さなど多々あるが、その裏側にある技術はマイクロフォーサーズというセンサーだ」と語る。JIPはこのマイクロフォーサーズの特徴が評価される市場が国内外に一定規模あり、こういったコアユーザーがいる市場を深掘りすることでしっかりとした事業基盤ができると期待している。

  • 販路や生産も模索している。今後も主力市場である欧州など海外販売は続ける方針だ。工場など生産体制も議論中だが、ベトナムの主力工場を残すなど、「ファブレスにする予定はない」(稲垣氏)。

  • 映像事業の人材がすべて移行するかは決まっていない。実際、オリンパスでは数年前に映像事業の人員を本社管理部門など他部門に移管したとされている。JIPも買収とともに優秀な人材獲得ができないことを懸念している。

  • 一方、デジカメ業界に詳しいあるアナリストは懐疑的な意見を寄せる。「問題は事業拡大や新規分野への参入だ。デジカメ市場はプロ・ハイアマ向け製品しか生き残れなくなっている。その中で、マイクロフォーサーズをプロ・ハイアマが積極的に購入するとは考えにくい。また、VAIO並みの業績がでるようコスト削減をすれば監視カメラなどビジネス向けを製造する規模を保てない」と厳しい。

 

JIPは映像事業に対して十分な投資を行うことで、事業の再生を目指していく考えのようですね。主力工場も残す予定ということなので、差し当たっては、現在とそれほど変わらない体制でいくのでしょうか。

今後は、マイクロフォーサーズ市場を深堀りしていくと述べられているので、新会社でも現在のm4/3システムを継続していくのは間違いなさそうですが、小型センサーのレンズ交換式カメラが厳しい状況になってきている中、JIPがm4/3でどのように戦っていくのか注目したいところです。