パナソニックS5は多くの点でS1よりも優れている

PhotographyBlogに、パナソニックの軽量コンパクトなフルサイズカメラ「LUMIX S5」のレビューが掲載されています。

Panasonic S5 Review

  • S5はS1よりも大幅にコンパクトで、マイクロフォーサーズのGH5よりも更に小型軽量だ(しかし、パナソニックはGH6のリリースを計画しているので、S5はGH5の後継機ではない)。
  • 動画志向のS1Hはヒットしたが、スチルに焦点を合わせたS1はそれほど成功しなかったためS5が発売された。他社の競合製品とサイズを比べると、ソニーのα7Cを除けば全体的なサイズは同等だ。
  • S5は非常に小さくなったが、使い勝手は犠牲になっていない。また、安価になったにもかかわらず、頑丈な造りと防塵防滴仕様を維持している。S5の造りのクオリティはミドルレンジ機では屈指のものだ。

  • キットレンズの20-60mmは小型軽量で、コンパクトなS5にピッタリだ。望遠側は短いが、20mmの広角はブイロガーには嬉しい仕様だろう。
  • グリップはセミプロ用の一眼レフよりは小さいものの、S5のボディ形状に合っていると感じる。S5の操作系はエルゴノミクスに優れ、特に、使用頻度の高い重要な機能については、操作性が考え抜かれている。
  • モードダイヤルのロックボタンが省略されているが、S5では意図せずにダイヤルが回ってしまうことはほとんど無いので、それほど残念だとは思わない。

  • 電源スイッチは動きが極めて硬く、かなり力を入れて操作する必要があるが、ポジティブに捉えれば、誤って電源をON/OFFしてしまうのをほぼ防ぐことができる。
  • デュアルネイティブISOは自動的に切り替わるが、S1HのようにLOWとHIGHを手動で切り替えられないのは、S5の欠点の1つだ。動画にALL-Iは用意されておらず、HDMIポートはフルサイズではなくマイクロだ。
  • 端子を保護するゴム製のフラップ(ドア)は、他の部分と比べると少々やわな造りに感じる。

  • EVFはS1の576万ドットと同等ではなく解像度が低いが、それでもなお、S5のEVFの画質には全く問題はない。
  • AFは新しいアルゴリズムが採用されており、スチルと動画の双方でAF-Sのレスポンスが改善されているが、AF-Cモードは、それと比べて若干劣っている。
  • S5は、AF-CでもS1シリーズのカメラよりも素早く被写体にフォーカスし、より確実に追尾するが、DFDに特徴的なフォーカスの前後の脈動は以前として見られる。しかし脈動はS1やS1Hほどは目立たない。S5のAFは、特に4K動画のAF-Cではα7 IIIやEOS R6などに、まだ後れを取っている。

  • AFは-6EVに対応し、暗闇に近いような状況でもAFが可能だ。
  • メニューは分かりやすく、直感的に操作できる。
  • スチルの画像は優れた品質で、ISO50から6400まではノイズの無い画像が得られる。ISO12800がノイズが顕著になる最初の感度だ。ISO25600と51200ではかなりのノイズが見られるが、それでもまだ小さなプリントやWeb用としてなら利用可能だ。ISO102400と204800の使用は避けた方がよい。

  • S5はm4/3のGH5より小型軽量にもかかわらず、ずっと高価なS1Hの主要機能の多くを提供するカメラで、本来、S1がそうあるべきカメラだ。パナソニックはS1をこれまで通りの希望小売価格で販売することを決定しているが、S5は多くの点でS1より優れており、S1を選択する理由はあまりない。
  • S5で注意すべき点は、連写速度が5コマ/秒と遅いこと、EVFの仕様が若干時代遅れなこと、HDMI端子がマイクロであること、AFがコントラストAFベースのDFDであることなどだ。
  • AFは間違いなくこれまで以上の性能だが、それでもライバルの位相差AFほど優れてはいない。しかし、全体としてはS5はその価格を遥かに超える魅力的なミドルレンジカメラだ。大いに推薦する。

 

S5はS1から大幅に小型軽量化されたにもかかわらず、動画機能やAFなど多くの点で上位モデルのS1を凌ぐカメラになっているようですね。

Lマウントシステムに興味があっても、ボディの大きさから導入を躊躇していた人には、S5は非常に良い選択肢になりそうです。