オリンパス「E-M10 Mark IV」は非常に高性能で使い勝手に優れたカメラ

ePHOTOzineに、オリンパスOM-Dシリーズの新しいエントリーモデル「EM-10 Mark IV」のレビューが掲載されています。

Olympus OM-D E-M10 Mark IV Review

  • E-M10 Mark IVはエントリーレベルのOM-Dだが、機能的にはエントリーレベルというわけではなく、多くのフォトグラファーを満足させる仕様になっている。
  • ボディは大部分のプラスチック製だが、フレームやモニタの枠などに必要に応じて金属部品が使われていて、造りはしっかりとしている。
  • グリップは改良されて深くなり、しっかり握ることができるようになった。

  • AFは他のOM-Dと異なり、位相差ではなくコントラストAFだが、速くキビキビと動き、顔認識・瞳認識も良好に機能する。
  • モニタは103.7万ドットで解像度は今では若干低く感じるが、色再現と明瞭度に優れている。画面は下側に傾けられるので、自撮りやブイログに向いている。
  • メニューは「スーパーコントロールパネル」で素早く設定できるが、メインメニューは他のカメラほど洗練された造りではない。他のOM-Dと異なり、残念なことに「マイメニュー」機能は搭載されていない。

  • バッテリー寿命はこの種のカメラとしては標準的だが、MicroUSBを使ってカメラ内充電ができるようになったので、これが外出時には役立つかもしれない。
  • JPEGの画質は色再現も解像力も良好で非常に優れている。露出は概ね適正で、ダイナミックレンジも広い。

  • 高感度ノイズはISO100-800の間では少ないが、ISO1600ではいくらかノイズが見られる。ISO3200ではノイズリダクションが良い仕事をしているが、ディテールは減少する。ISO6400はノイズはそれほど煩わしいものではなく、Web用など、用途によっては実用になるだろう。ISO12800ではノイズが増えるので、他に選択肢が無い場合以外は使用したくはないが、彩度は良好に維持されている。
  • ノイズリダクションは調整可能で、ディテールを重視する場合は、ノイズがわずかに増えるがノイズリダクションを「標準」から「低」に設定し直すことを勧める。

  • ホワイトバランスは白熱灯下では最良の結果を得るにはプリセットを使うと非常に上手くいく。蛍光灯下ではオートで良好な結果が得られるが、プリセットは若干色が傾く。屋外ではオートホワイトバランスは優秀で、調整が必要になることはほとんど無い。
  • 手ブレ補正は動画の手持ち撮影でも役に立つが、E-M5 Mark III やE-M1 Mark III の手ブレ補正には及ばない。電子手ブレ補正も利用できるが、若干トリミングされる。動画の品質は良好で、4Kはディテールと色再現に優れた見栄えの良い動画が得られるが、暗所では大型センサー機や低画素機(GH5Sのような)と比べると苦戦する場合があるかもしれない。
  • ブイログ用としてはマイク端子が無いのが問題になるかもしれない。また、三脚や一脚、自撮り棒使用時には、モニタを自撮り用に大きく開くことができない。

  • E-M10 Mark IVは多くの機能を備えた小型軽量のミラーレスカメラで、写真を追求する上で制限になるようなことはほとんどない。野生動物写真など悪天候下でも使用する場合には防塵防滴のE-M5 Mark III の方が優れていると思うが、それ以外の点ではE-M10 Mark IVは非常に高性能なカメラだ。使い勝手もとても優れている。
  • オリンパスの将来については疑問があるかもしれないが、そのことはE-M10 Mark IVで見栄えのする写真を撮る上で妨げにはならないだろう。

  • 良い点:優れた色再現とJPEG出力、コンパクトなボディ、軽量コンパクトなレンズが用意されている、カメラ内充電、4K動画、ボディ内手ブレ補正。
  • 悪い点:メニューが色分けされておらず複雑なまま。

oly_e-m10mk4_ep_001.jpgE-PL10は非常に小規模なマイナーチェンジでしたが、このE-M10 Mark IVの方はセンサーの高画素化やモニターの自撮り対応、連写の高速化、手ブレ補正の高性能化、AF性能の改善、グリップの改善など、盛り沢山の内容になっていて、かなり訴求力がアップしているという印象です。

防塵防滴仕様でないことやマイク端子の非搭載が指摘されていますが、そこまで盛り込むと上位モデルの存在価値が無くなるので、これは仕方がないところかもしれませんね。