Photography Blog に、富士フイルム大口中望遠レンズ「XF50mm F1.0R WR」のレビューが掲載されています。
・Fujifilm XF 50mm F1.0 R WR Review
- このレンズは重さ845gで長さは10cmを超えるが、構成するガラスの量を考えられば納得できるだろう。XF56mm F1.2と比べると2倍以上の重さで、3cm長いので、携帯性を重視する場合はXF56mmを選ぶ価値はある。
- 意外にもX-T4との組み合わせはフロントヘビィにならず良好で、造りの品質はX-T4のボディ以上だ。
- フォーカスリングは幅広く、申し分のない重さがあり滑らかに動く。最短から無限遠までの回転角は120度で、改善されたフォーカス機構で正確なフォーカシングができる。
- 絞りリングは十分な重さがあるが、収納時に少し動きやすい。
- AFはX-T4とX-Pro3の両方で少し迷いが見られ、最速クラスではない。顔認識/瞳認識AFは、マニュアルフォーカスが難しいF1.0開放時でも非常によく機能した。このレンズのAFには作動音があり、動画での使用にはあまり適さない。
- 色収差は、非常にコントラスト高い被写体の輪郭部分でのみ目につく。
- 周辺光量落ちはF1.0でも良く抑えられており、F4まで絞ると完全に解消する。
- 歪曲はサンプルでは全く見られない。
- F16まで絞ると非常に素晴らしい光芒が出現するが、太陽を直接画面に入れるとフレアが現れる。
- このレンズは開放ではボケを柔らかくするために意図的に球面収差を残しており、ボケ味は間違いなくXFレンズで最高のものだ。
- 中央の解像力は、開放では少し甘いが、F1.4で満足の行くシャープさになり、F2からF8でピークに達する。回折の影響は目立たず、F11やF16でも安心して使える。隅は開放からF2までは甘いが、F2.8で十分にシャープになり、F8で最も解像力が高くなる。
- XF50mmF1.0は大きく重く高価なレンズだが、他のレンズでは得られない画像が得られる。XF56mmF1.2との違いは大きくはないが間違いなくある。AFは速くないが、信頼性は高い。画質は開放では少し甘いが、F1.4で中央はかなりシャープになり、F2.8で隅まで非常にシャープになる。ボケは見事だ。周辺光量落ちは問題なく、色収差はよく抑えられている。
- 多くの人にとってXF56mmF1.2はニーズを十分に満たすレンズだが、華麗な画質の大口径を使いたい場合はXF50mmF1.0は期待を裏切らないだろう。
最近は開放からカリカリにシャープなレンズが多い中、XF50mmF1.0は開放付近の解像力よりもボケ味を優先した興味深いレンズですね。サンプルでも確かにボケは美しく、他のXFレンズとはひと味違うという印象です。
このレンズは比較的高価なレンズにもかかわらず非常に良く売れていて、供給不足になっているようなので、ボケを優先した富士フイルムの試みは成功したようですね。
ぶらりん
写真を撮りに旅に出たくなるような、素敵なレンズですね
ジロー74
大きく重くても使いたいレンズですね。
カタスマー
xf35mmf1.4から始まったXシステムを象徴するに相応しい描写のようですね。
大きさ重さは確かに気になりますが、価格は正直安いと思います。
サイズ価格性能の良いバランスを突いてきた、よく考えられたレンズという印象ですね。
x-t44
フジのImaging Plazaで、XF50mmF1.0で撮影された大判プリントを観ましたが、度肝を抜かれました。
月並みな表現ですが立体感、質感描写がとにかく素晴らしく、服や濡れた花など、まるで目の前に存在しているかのようで…あれは欲しくなってしまいます笑
YOSHI
ミラーレスの台頭で、今後高級レンズF1.4ではなくF1.2やF1.0が基準になりそうですね。
840'sCamera
X-H1にXF56mmのAPDを使ってる自分としては…めちゃくちゃ気になるし…欲しくなってます…(^^;
嬉しい反面、悩ましくもあり…とりあえず、今度レンタルして比較して見ます!
カメライフ
購入しました。ずっと使い続けたいと思えるような、とても素晴らしいレンズです。
同社のロングセラーの神レンズ35mmF1.4に抱く感覚に似ています。決して収差補正が完璧ではないのですが、それが描写にオリジナリティを生み出しています。今回の50mmF1も、欠点はあるのですが、繊細でやさしいピント、滲みながら溶けていくボケが作り出す立体感が独特で、他のレンズでは見ない描写です。
最近は、開放からほぼパーフェクトな性能のレンズばかりで、技術が進歩したなぁ、と感心はするものの、なんだか、使っていても、写真を見ていても、飽きてしまいます。人の目に感じるか、感じないかというレベルのところで違いがあるという感じ。
このレンズには明確な個性があります。
レンズが持つ個性を愉しむ。それは、ある意味オールドレンズの愉しみ方のようですが、成熟化してきたカメラ業界に富士フイルムが投じた、古いようで、新しいコンセプトなのかもしれません。