シグマ「105mm F2.8 DG DN MACRO Art」は光学性能ではFE90mm F2.8 GをしのぐがAF性能では及ばない

Photography Blog に、シグマの望遠マクロ「105mm F2.8 DG DN MACRO Art」のEマウント版のレビューが掲載されています。

Sigma 105mm F2.8 DG DN MACRO Art Review

  • Lマウントバージョンは1.4倍と2倍のテレコンが使用可能で、1.4倍、2倍の倍率で撮影できる。いずれの場合もワーキングディスタンスは14.1cmのまま変わらない。
  • 全長は13.4cm、重さ715グラムで、FE90mm F2.8 Macroと比べると3mm長く100グラム重いが、α7 III のような小さなカメラボディにも良く合う。
  • 鏡筒は金属とTSCで、造り品質は素晴らしい。また、マウントはより耐久性の高い真鍮だ。
  • 絞りリングは十分な重さがあり、収納時に意図せず動いてしまうことがない。絞りリングを動かすと独特のカチカチという音がするが、動画用にクリックを解除することもできる。
  • フォーカスリングは幅広く、回転角が非常に大きいので、近接撮影でも正確にピントを合わせることができる。フォーカシングはインナーフォーカスで前玉は回転しない。
  • AFは被写体にロックするまでに約0.25秒と速い。AFは光の状態が良い場合には迷わないが、暗い場所では少し苦戦することがあった。AFの作動音はマクロレンズとしては静かな方だが結構聞こえる。しかし幸いなことに、動画撮影時はAFはずっと静かになる。
  • 色収差はそれほど目立たず、非常にコントラストの高い部分でのみ見られた。
  • 周辺光量落ちは開放では目立ち、解消するには少なくとも2段絞る必要がある。
  • 歪曲は未補正のRAWではわずかなタル型だが、JPEGでは自動補正される。
  • 太陽を入れて撮影してもフレアは十分に抑えられているが、F16やF22に絞り込んだときの光芒はそれほど素晴らしいものではない。
  • 絞りは9枚羽根の円形で、ボケはとても素晴らしい。
  • 解像力は中央も隅も開放のF2.8からF11に至るまで素晴らしいが、F16では少し回折の影響が見られ、F22では更に影響が大きくなる。

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  • ソニーのFE90mm F2.8 G と比較すると、シグマは周辺部がよりシャープで、機能も豊富だが価格は2/3だ。シグマのマイナス面は、暗所でのAFの速度や信頼性があまり高くなく、レンズ内手ブレ補正が搭載されていないことだ。
  • このレンズは際立った画質のマクロレンズで、絞り値にかかわらず中央でも隅でも優れた解像力で、開放でさえ見事な画質だ。周辺光量落ちは目立つが、色収差はほとんど見られない。
  • シグマはマニュアルフォーカスが満足いく出来で、三脚を使用してのMFの近接撮影が多い場合は、ソニーよりもシグマを強く勧める。ソニーは(AFが優秀なので)手持ち撮影には適しているが、光学性能はシグマほど優れてはいない。まだFE90mm F2.8 Gを持っていなければ、際立った性能のシグマを勧める。

 

シグマの105mm F2.8 DG DNは開放から画面の隅までシャープで、色収差も目立たず、申し分の無い性能のレンズのようですね。ただ、AFは条件が悪い場合には、速度や信頼性で純正には及ばないようです。この2本は光学性能重視ならシグマ、AFやレンズ内手ブレ補正重視ならソニーとあまり迷わずに選択できそうですね。