シグマ「105mm F2.8 DG DN MACRO Art」は解像力の最高記録を更新

LensTipに、シグマのEマウント/Lマウント用の望遠マクロ「105mm F2.8 DG DN MACRO Art」のレビューが掲載されています。

Sigma A 105 mm f/2.8 DG DN Macro

  • フォーカスリングはバイワイヤ(モーターによる駆動)で、適切な重さがあり、非常に滑らかに回転する。最短から無限遠までの回転角は少なくとも270度はあり、高精度なピント合わせができる。フォーカシングで前玉は動かない。
  • 中央の解像力は、開放でこれまでの最高記録に近い78.3lpmmに達しており、F4に絞ると80.4lpmmとこれまでの最高記録を完全に上回っている(良像の基準値は39~41lpmm)。この結果には、ただ称賛あるのみだ。
  • 隅の解像力は開放で50lpmmを超える値で、基準値を大幅に上回っている。絞ると60lpmmに近い値になり、非常に優秀だ。これ以上の性能を期待するのはばかげたことだろう。ソニーFE90mm F2.8 Macroは、画面全域で全ての絞り値でシグマに劣っている。

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  • 軸上色収差は非常によく補正されていて、絞らなくてもボケにはほとんど色は付かない。
  • 倍率色収差は絞り値による変化が少なく、0.02%前後の非常に小さい値を維持しており、実写での影響はないだろう。ソニー90mm F2.8は0.07~0.09%で、シグマはここでもソニーに優っている。
  • 球面収差の補正に問題はなく、フォーカスシフトは見られない。
  • 歪曲は0.99%の糸巻き型で、問題のない値だ。
  • コマ収差は非常によく補正されており、中央と隅、F2.8とF4の光点のサンプルを比べても違いはわからない。これは称賛に値する。
  • 非点収差は2.9%の非常に低いレベルで、全く文句はない。
  • ボケはとても素晴らしい。玉ボケはとても均一だが、絞ると明るい輪郭が目立つのが唯一気になる点だ。隅の口径食は2段絞っても解消しない。
  • 周辺光量落ちは開放で36%(-1.28EV)で目には見えるが、ソニーFEレンズは-2~-3EVの値のことが多いので、シグマの性能はそれほど悪くない。ソニーの90mm F2.8は53%だったことを思い出して欲しい。
  • 逆光耐性は理想的とは言えないが、レンズ構成が複雑なことを考えると、良く抑えられている。太陽が画面の隅に近い位置にある場合のみ、強いフレアが出るが、それでも面積は大きくない。
  • AFはα7R II との組み合わせでは最短から無限遠まで1.3~1.5秒と遅く、フォーカスリミッターを使っても1秒かかるが、このレンズは本格的なマクロで、非常にピントの範囲が広いことを考慮する必要がある。フォーカスミスは1~1.5%でAF精度には問題はない。
  • このレンズのテスト結果は非常に明確で、解像力の最高記録を打ち出し、「良い点」が非常に多く、「悪い点」が一つだけのこのレンズに、エディターズ・チョイス賞を贈る以外の選択肢はないだろう。
  • 良い点:しっかりしたスタイリッシュな鏡筒、中央の驚くべき解像力、隅の良好な解像力、球面収差がわずか、軸上色収差の問題が全く見られない、倍率色収差が無視できる、歪曲が穏やか、コマ収差の補正が素晴らしい、非点収差が非常に少ない、ボケがかなり良い、静かで正確なAF。
  • 悪い点:AFが遅すぎる。

 

シグマの新しい105mmマクロは、開放から驚きの高解像力ですね。色収差も非常によく補正されていて周辺光量落ちも比較的少なく、全体的に非常にハイレベルなレンズという印象です。

AFが遅いことは、以前に山木社長も言及していましたが、これは優れた光学性能とのトレードオフなので仕方がないところですね。