ソニー「FE28-60mm F4-5.6」は隅々までシャープで予想以上の光学性能

DigitalCameraWorld に、ソニーのコンパクトな標準ズームレンズ「FE28-60mm F4-5.6」のレビューが掲載されています。

Sony FE 28-60mm f/4-5.6 review

  • このレンズは非常にコンパクトで、α7Cとの組み合わせでは、ほとんどジャケットのポケットサイズになるが、ズーム倍率は2.1倍の非常に低く、またF値も暗いので、コンパクトさに対する代償はかなり大きい。
  • 沈胴機構は電動ではなく機械式で、素早く直感的に操作できる。これは多くの電動のパンケーキズームよりもずっと優れている。
  • 使ってみると、ズーム域には制限を感じる。28mmは今日の基準ではあまりワイドではなく、60mmはかなり短いと感じる。プラス面としては、外出時にα7Cやその他のα7をずっと手軽に持ち歩けるようになることだ。

  • 光学系は非常にシンプルだが、実写では隅々までシャープで、色収差は歪曲は目立たない。ただし、歪曲は電子補正にかなり依存している。
  • AFは速くて静かだが、一つ厄介な問題がある。焦点距離で最短撮影距離が変わるので、ピントが合わない場合に、広角側にズーミングすれば合焦可能になるが、AFはそれ以上ピントを合わせようとしない。これは、どれだけ被写体に近づけるのか判断が難しいので、ブイログの撮影ではイライラするかもしれない。

  • 解像力テスト:中央の解像力は、F値通しのプレミアムクラスの標準ズームと互角の優れた解像力だ。50mm以上では若干甘くなるが、それほど落ち込むわけではない。隅の解像力は中央ほど素晴らしいわけではないが、それでもまずまずの値だ。

sony_fe28-60f4-56_mtf_dcw_001.jpg

  • 倍率色収差のテスト:色収差は絞り値やズーム域に関係なくほとんど見られない。これはハイエンドレンズのような値で、比較的安価なキットズームとしてはとても素晴らしい。
  • 歪曲のテスト:28mmではタル型の歪曲が大きく、35mmでも目立つが、50mm以上では歪曲は目立たなくなる。これらの値は自動補正を無効にして測定していることに注意して欲しい。自動補正を有効にすれば歪曲の問題は見られない。

  • FE28-60mm F4-5.6はα7Cのみならず、他のフルサイズ機にも最適なキットレンズだ。ただし、ズーム域の狭さは足かせになるため、これを許容するか、別のレンズを追加で持っていくかだ。しかし光学性能は予想していたよりもずっと優秀で、隅々までシャープなレンズだ。
  • 良い点:極めてコンパクト、素晴らしい性能、速くて静かなAF。
  • 悪い点:ズーム域が狭い、ズームによって最短撮影距離が変化する、レンズ単体だと非常に高い。

 

FE28-60mm F4-5.6は非常にコンパクトなレンズですが、光学性能は思いのほか優秀で、このサイズでこれだけ写れば全く文句はないですね。

ズーム域の狭さが問題点として指摘されていますが、ズーム域を抑えたことで、このコンパクトさと優秀な光学性能を実現しているレンズなので、この部分は割り切るしかなさそうです。