パナソニック「LUMIX S5」はこのクラスでは優れた仕様だがスポーツ撮影には向かない

ePHOTOzineに、パナソニックのフルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S5」のレビューが掲載されています。

Panasonic Lumix S5 Review

  • ボディは金属製でしっかりとした造りで、S1と比べると遥かに小型軽量だ。
  • AFはコントラストAFで、多くのケースで非常に速いが、動画で使用する場合にはウォブリングが目立ちあまり感心しない。スチルではAFは速く、かなり暗い場所でも合焦する。
  • EVFはコントラストに富んでおり、暗い部分はほとんど黒に見える。色再現も良好だ。液晶モニタは解像度が高く、鮮明で視野角も広い。

  • メニューはきちんと整理されており、写真と動画が別のセクションに分けられおり、それぞれのセクションごとに色分けされている。このカメラはいくつかの重要な設定に素早くアクセス可能で、とても使いやすい。
  • バッテリーライフはCIPA規格で440枚(モニタ使用時)/ 470枚(EVF使用時)だが、省電力モードでは1500枚と素晴らしくバッテリーが持つ。

  • サンプル画像は、撮って出しでも色再現に優れた素晴らしい画像が得られているが、高感度ではRAWから処理した方が良い結果が得られる場合がある。人物の撮影では44枚中9%にあたる4枚にピントが合っておらず、カメラは瞳にピントを合わせるのに苦戦していた。露出は信頼でき、露出補正が必要になるケースはほとんどなかった。

  • ノイズはISO50では非常に少ないが、ダイナミックレンジも減少する。ISO100-1600ではノイズが少なく、ディテールが豊富だ。ISO3200ではディテールがわずかに減少し、ISO6400では更に若干ディテールが減少する。ISO12800ではノイズが増え、ディテールが顕著に減少する。ISO25600ではノイズが塗りつぶされ、ディテールが失われる。ISO51200以上はどうしても必要な場合を除いて使用は避けた方がよい。高感度はRAWから処理した方が良い結果が得られる。

  • オートホワイトバランスは暖色や寒色の選択ができるが、白熱灯下ではこれらの設定を変えても違いは微妙だ。蛍光灯下や自然光下ではオートホワイトバランスは良好に機能するが、曇天では寒色に傾くことがある。
  • 動画はAPS-Cクロップで4K60p 10bitが可能で、30fpsだとフルサイズで録画可能になる。8bitは時間無制限だが、10bitでは30分に制限される。動画の顔・瞳認識AFは良好に機能する。AFは絶えず動き続けているので、背景が揺れ動くように見えることがある。動画の品質は4KでもフルHDでも非常に鮮明でディテールに富んでおり見栄えがする。

  • S5の価格はボディが1799ポンド、レンズキットで1999ポンドで、ボディ内手ブレ補正と4K60pの動画を搭載していることを考えるとコストパフォーマンスは優秀だ。
  • キットレンズの20-60mmは軽量コンパクトで画質も優れていて、キットとして購入すれば価格も安価なので、Lマウントに投資する大きな理由になるかもしれない。
  • LUMIX S5は動画に強く、この価格帯の多くのフルサイズミラーレスよりも優れた仕様と機能を備えていて、フルサイズミラーレスの中では魅力的な選択肢だ。スチルは色再現や高感度性能に優れていて、大部分の写真家を満足させるのに十分な機能があるが、連写が7コマ/秒なので、スポーツ写真家は他を選択したいと思うだろう。

  • 良い点:S1に比べて軽量コンパクト、優れたハンドリングと操作系、96MPのハイレゾモード、4K60pの動画。
  • 悪い点:4K60pではAPS-Cにクロップされる、動画でAFが揺れ動くのはビデオグラファーに敬遠される可能性がある。

 

S5はS1から大幅に小型軽量化しながら、ボディ内手ブレ補正や4K60pなどの特徴はそのまま維持されていて、とてもハンドリングとコストパフォーマンスに優れたカメラに仕上がっているという印象です。

スチルの絵作りはとても魅力的に感じますが、AFがコントラストAFベースで連写が7コマ/秒なので、動きモノの撮影にはあまり向いていないかもしれませんね。また、動画のAFに関しては他のレビューでも問題を指摘されていたので、新ファームでの改善に期待したいところです。