富士フイルムはAPS-Cが最もバランスの良いシステムと考えている

Amateur Photographer に、フジフイルムのマネージャーのインタビューが掲載されています。

Why Fujifilm has been doing "significantly better" than the rest of the market

  • (新型コロナウィルスの富士フイルムと写真業界への影響は?)
    CIPAによると2020年4月から世界的なデジタルカメラの需要は40%減少しているが、富士フイルムの売上はこれよりも大幅に良かった。これは、X-T4やX100Vなどの新製品の売れ行きが良かったためだ。パンデミックの中でも革新的な写真機材に対して、熱狂してくれることを知って嬉しく思う。

  • (今後の数年間の最大の課題は?)
    最大の課題は研究開発で革新を続けることで、本当の消費者の需要を見つけることが重要だ。彼らはセンサーを購入するのではなく写真体験を購入している。どうすれば他と違うものを提供できるのか。我々は他社と同じ道はたどらない。

  • (ヨーロッパと他の地域との違いは?)
    地域によるベストセラーにそれほど大きな違いはなく、X-T4、XT-3、XT-30は世界中で人気で、X100Vは世界で最も売れているハイエンドコンパクトだ。わずかな地域差があるのは、GFXが中国以外で均一に売れていることと、X-Aシリーズが一部のアジアの国で人気があることだ。instaxは世界的に見て富士フイルムで最も成功している製品の1つだ。

  • (フルサイズについて)
    フォトグラファーがなぜ富士フイルムのAPS-C機を選択するのか? APS-Cが最もバランスの良いシステムだからだ。ここ2年で競合他社はフルサイズに移行しているが、現在の最先端のセンサー等の技術があれば、フルサイズを使用する理由はない。ミラーレスは、1世紀以上前に登場したフォーマットから脱却する絶好の機会だ。APS-Cはカメラだけでなくレンズも小型軽量化できる。

  • (X-S10はこれまでの富士フイルムのミラーレスから大きく変わっていて、他社のカメラのようなデザインだが、どのような考えがあるのか?)
    デジタル一眼レフを使用してきた顧客や、動画撮影を好む顧客から要望があった。X-S10は従来の一眼レフのようなスタイルに見えるかもしれないが、それより遥かに小さく、重量はわずか465グラムだ。X-S10は一眼レフユーザーのミラーレスへのスムーズな移行を実現すると信じている。

  • (XF10-24mmF4が防塵防滴化されたが、他のレンズの防塵防滴化も期待できるか?)
    将来の製品の詳細は言えないが、一般的に防塵防滴化するにはレンズの内部構造を完全に再設計する必要があるので、場合によっては、ゼロから研究開発をする必要がある。

  • (Eマウントのようにタムロンやシグマのようなサードパーティーともっと密接に連携するべきだと思うか?)
    他社との協業については具体的なことは言えないが、顧客からそのような要望があることは理解している。

 

コロナ禍の影響で大部分のカメラの販売が大幅に減少する中で、富士フイルムのカメラ販売は好調だったようです。デジカメに加えて銀塩のinstaxが大成功しているのも大きいですね。

富士フイルムは以前からフルサイズには参入しないと言っていましたが、この方針は変わっていないようで、今後もAPS-Cに注力していくようです。

新製品のX-S10は、オーソドックスな操作系を採用して他社のユーザーを取り込むことを目標にしているようで、この戦略が成功するのか興味深いところです。