ニコン「Z6II」のAF性能はライバルに半歩後れを取っている

DigitalCameraWorldに、ニコンZ6II のレビューが掲載されています。

Nikon Z6 II review

  • Z6IIの大きな変更点は、より一般的なSDカードスロットが追加されデュアルカードスロットになったことと、EXPEED6が2つになり処理速度が上がったことだ。処理の高速化は、連写速度や動画機能、低照度AF性能の改善につながっている。
  • 連写速度は14コマ/秒に高速化されている。連写枚数は12bitRAWでは124枚、JPEGで200枚だ。14コマ/秒の連写ではAFは最初のコマに固定されるが、12コマ/秒ならC-AFが使用できる。他社のミラーレスカメラにある20コマ/秒の(電子シャッターの)連写が無いのは残念だ。
  • 動画は現在は4K30pまでだが、2月のアップデートで4K60p(1.5倍のクロップだが)が追加される。その他のフルHD動画やEVF、LCDなどの仕様はZ6と全く同じだ。

  • グリップは深く、ダイヤルやボタンも指が簡単に届く位置にあるが、サイズの制約のために同社のハイエンド一眼レフに比べると操作部の数は限られている。例えば、コンティニュアス、シングルの切り替えは、ダイヤルではなくメニューから行う必要がある。
  • 動物と人間の顔/瞳AFがエリアAFモードと共に直接選択できるのは、Z6からの歓迎できる改善点だ。以前は、この設定はカスタムファンクションに埋め込まれていた。
  • EVFは369万ドットで十分にクリアだが、60fpsのリフレッシュレートは、ライバルの120fpsに比べて古くなっていると感じる。同様にモニタがバリアングルではなくチルト式を採用したのも不思議で、これは動画では足かせになる。

  • 273点のハイブリッドAFシステムは、正確に被写体に合焦するが、ライバルに採用されている位相差AFシステムよりもまだ半歩遅れている。しかし、それほど大きく差をつけられているわけではない。
  • 人間と動物の顔・瞳認識AFモードは素晴らしく、雑然とした背景でも被写体にロックし、距離に応じて顔や瞳を自動的に認識する。キヤノンやソニーのAFよりわずかに後れを取っているが、それでもAFは非常に優秀で、検出と追尾の両面で信頼性は高い。
  • 低照度はZ6でも強かったが、Z6IIでは更に性能が向上しており、-6EVまで測光可能になっている。実際に暗闇でも撮影できる。

  • 手ブレ補正の性能はZ6とほとんど変わっていないように感じられるが、ニコンの手ブレ補正はキヤノンやパナソニックと同じくトップクラスで、ソニーよりも優れている。
  • 4K30pの動画は29分59秒の録画時間の制限はあるが、(オーバーヒートによる)厳しい制限はない。オーバーヒートでシャットダウンする前に4K30pで1時間17分29秒記録できた。
  • 動画のAF性能は素晴らしく、動物の瞳AFも機能する(Z6は瞳ではなく顔でしか追尾できなかった)。動画におけるZ6IIの欠点はチルト式のモニタで、ブイロガーやコンテンツ製作者には、これはバリアングルに比べると大きな制約になる。

  • 解像力テスト:Z6IIは画素数が同じα7 III にディテールでは及ばない。旧型のZ6はα7 IIIと同等の解像力だった。違いはごくわずかで問題はないが、とはいえ、Z6IIはZ6よりもわずかにソフトになっている。Z6IIはノイズリダクションを強くした可能性があると推測している。
  • ダイナミックレンジのテスト:Z6IIはダイナミックレンジは広く、テストしたうち最低と最高の感度を除けば、競合他社を完全に打ち負かしており、ISO100からISO6400のダイナミックレンジは一貫して高い。
  • S/N比のテスト:テストした4機種のカメラでS/N比はほぼ一致している。低感度ではα7 IIIが強いが、実際にS/N比の違いが現れるのは高感度の時で、そこではZ6IIが強い。ISO6400以上ではZ6IIはライバルよりも一貫してきれいだ。Z6とZ6IIのS/N比はISO6400までは同じだが、ISO12800以降は大幅にZ6IIが改善している。

  • Z6IIはデュアルカードスロットと、デュアルプロセッサを採用し、連写の高速化や4K60p(後から追加)を実現したマイナーチェンジ機だが、4K60pの1.5倍のクロックやバリアングルモニタの非採用など動画用としての魅力には乏しい。スチル用としては高画質でAF精度も高く、手ブレ補正もしっかりしていて見事なカメラだ。Z6IIは、この価格で非常に高性能なカメラだが、スペック的には一部ライバルに後れを取っている。
  • 良い点:デュアルカードスロット、連写の改善、優れたAF性能。
  • 悪い点:バリアングルが採用されていない、ライバルの方が連写が速い、4K60pがクロップされる。

 

Z6IIは、Z6から連写やAF性能などが全体的に改善されていて、特に高感度ノイズなどの画質面ではライバルを凌いでいるようですが、AF性能はまだ少し遅れを取っているようですね。

また、バリアングルモニタが採用されていないことが批判されていますが、スチル用にはチルトの方が好みという方も多いので、これは一概にバリアングルがいいとも言い切れないところかもしれません。