Sony Alpha Blog に、シグマの「65mm F2 DG DN Contemporary」とフォクトレンダー「MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Asperical」との比較レビューが掲載されています。
・Sigma 65mm F2 DG DN Contemporary
- フォーカスリングは幅は狭いが持つのに十分な大きさで、正確なピント合わせが可能だ。
- 総金属製のマグネット式レンズキャップ素晴らしい仕上げで、レンズに非常によくくっつく。このレンズキャップは、つまむ必要がある標準キャップよりも便利だが、フード使用時には着脱が事実上不可能なことに注意が必要だ。
- AFは非常に速く正確で静かだ。瞳AFとトラッキングは完璧に機能する。動画のAFは遠景・中景から近接域にピント合わせるときに問題が見られた。
- 動画ではフォーカスブリージングがいくらか目立つ。また、動画では絞りリングをクリックレスにできないのが残念だ。
- 解像力は、F2の隅が素晴らしい値(excellent)なのを除けば、開放から際立った値(outstanding)で申し分ない。この価格帯のこのようなコンパクトなレンズにもかかわらず見事な性能だ。
- このレンズはα7R IVの61MPセンサーでも問題はなく、信じられないほどディテールは豊富だ。
- 周辺光量落ちは開放でも穏やかで、F2.8ではかなり少なくなり、F4で解消する。
- 歪曲は糸巻き型でかなり強い。
- 色収差は少ないが、強い光が入ると少し紫色のハロが出ることがある。
- 逆光耐性は良好だが、抜群ではない。
- 光芒はまずまずだが、フォクトレンダー65mm F2の方がよい。
- 玉ボケは良好で、F2とF2.8で円形を維持しているが、輪郭にフリンジが見られる。背景のボケは素晴らしく、雑然とした背景でも柔らかい描写だ。
- 色再現は良好で自然だが、素晴らしくよいわけではない。しばしば、Lightroomでシャドー部の色の調整が必要になることがある。
フォクトレンダー「MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Asperical」との比較
- フォクトレンダー65mm F2はシグマよりも全長が長く30%重い。最短撮影距離はシグマ55cmに対し、フォクトレンダーは31cmで1:2まで寄れる。
- 解像力はフォクトレンダーは開放時の隅でシグマをわずかに上回っているが、どちらのレンズも卓越している。解像力は差別化要因にはならないだろう。
- 背景のボケはどちらも滑らかだ。玉ボケはシグマが最高で、輪郭にわずかに色が付くが円形を維持している。フォクトレンダーはF2では円形だが、F2.8では絞りの形が目につく。またフォクトレンダーはシグマよりボケの色付きと年輪ボケが目立つ。
- 色再現はシグマも良好だが、フォクトレンダーの方が素晴らしく、シグマよりも後処理が必要になるケースが少ない。
- 歪曲はシグマの方がフォクトレンダーよりもずっと大きい。周辺光量落ちは同等だ。
- 色収差はフォクトレンダーが若干多いが、紫色のハロは少ない。
- 逆光耐性はフォクトレンダーの方が優れており、光芒はフォクトレンダーの方がずっと優れている。
- どちらのレンズも優れたテスト結果を示しており、選択は用途によって決まるだろう。動きのあるものはAFのシグマが最適だ。フォクトレンダーは発色と、光芒が最高で、マクロ撮影が可能だ。
- 結論:シグマ65mm F2は優れたレンズで、I Seriesの4本の中では最高のレンズだ。解像力は卓越していてEマウントレンズのトップ10に入る。ボケは滑らかで、肌の再現も優れている。AFは静かで速くスチルに最適だ(動画では少し問題がある)。
- 良い点:際立った解像力、滑らかな背景のボケ、非常に優れたコントラスト、優れた玉ボケ、良好な色再現(フォクトレンダーほど素晴らしくはない)、肌の優れた描写、素晴らしいAF、軽量コンパクト、性能の割りに安価、防塵防滴、優れた造りの品質(シグマArtやソニーGMよりも上)、色収差が少ない。
- 平均的な点:歪曲、周辺光量落ち、玉ボケの色付き、フォーカスブリージング、絞りリングのクリックを解除できない、動画のAF、マグネット式キャップでフードが使えない、フレア耐性、太陽を入れると紫のハロが出る。
- 悪い点:なし。
シグマの65mm F2 DG DNは開放から非常にシャープでボケも美しく、このクラスとしては申し分のない性能のレンズですね。
ただ、フォーカスブリージングや絞りリングのクリックが解除機能がない、録画中のAFの問題があるなど、動画用としては手放しでお勧めとは言えないようです。
フォクトレンダーとの比較では、開放時の解像力と色再現ではフォクトレンダーが若干優っているようですが、いずれも非常にハイレベルで、甲乙つけがたいという印象です。
タホ
困りました。
105 f2.8macro共にvoigtlanderのapolanthar シリーズと競合する焦点距離であり、ハーフマクロではありませんが、AFやサイズ、ウェザーシーリング等で利便性は圧倒的にシグマが上です。
しかし、apolanthar も捨てがたい良さがあり、買い換えるかと言われると中々難しい選択で、結局全部揃えたくなります。
日陰坂45
今回のIシリーズの3本で一番気になったレンズでしたが、やはり一番良さそうですね。
フルサイズで単焦点65mmと言うのも、ちょっと望遠よりの標準レンズとしても良いですし、ポートレートレンズとしても良さげです。
APS-C装着で約100mmですので、こっちの方が利用頻度高いかもしれないので、フルサイズとAPS-Cの両刀使いの方は持っていても良いレンズだと思います。
フォーカス妥協して近接能力の優れたフォクトレンダーか、AF搭載で汎用近接の本レンズか、結構悩みますね。
シグマがもうちょっと寄れれば、間違いなく一択だったんですけどね。
CR
絞りリングをAに合わせれば、カメラ側で絞り操作できるので(私は)クリック解除できなくても問題ないです。
それもよりも、糸巻き型の湾曲が強いというのが気がかりです。当然、電子補正は効くでしょうが、電子補正は画面端の形状に違和感を持つケースもあるので、実際の写りがどうなのか。コンテンポラリーなのでしかたないと言えばしかたないのかもしれませんが。
Oort
昔、EF40mmをaps-cに付けて換算64mmで使っていました。とても好きな画角だったので、フルサイズでの65mmはとても使ってみたいレンズです。
ぽち
Contemporaryなのになかなか凄いレンズのようですね
そうそうAPO-LANTHARと比較が気になっていたのでとてもありがたいレビューでした。